一瞬にして見方が敵に―――予想外の事態にうろたえる先輩たち。

 確かに4対2と人数では勝っているが、敵に回った文人は現役レギュラーである。努力も経験も、ましてや実力も足りない二軍以下の先輩たちでは、二人分の人数差などないに等しかった。

「くそっ!また取られた…」

「やべえよ、追いつかれたぞ…」

 気がつけば、かなり空いていた点差はあっという間に埋まっていた。

 それほど文人が強いということなのだが、もちろん強いのは彼だけではない。

「ほら、桐谷もオレのサポートばっかしてないで、自分で点取って来なよ」

「ええぇっ!!?オレがですか!?」

「そりゃあお前の勝負なんだし。ってかオレ、あの点差埋めて疲れちゃった。あとよろしくー」

「えぇ~…」