先輩たちは真面目に練習していないから、実力も大したものではない。しかし、それでも4対1での勝負は、あまりにも桐谷の分が悪かった。

「よっしゃナイス~!」

「く……っ!」

 また点を取られた。このままでは敗けてしまう。

「面白くなってきたね~。そんじゃ、そろそろオレも交ざろうかな」

「は…?」

 不意に傍観を決め込んでいた文人が、試合に出る準備をし始めた。

「あ、そうそう。東雲先輩も途中で交ざることになってるから」

「うん、オレは確実に勝てるほうに付くってことで」

「……!?」

 もう終わりだ。文人にまで敵側に付かれたら、桐谷には勝ち目なんてなかった。