「うわあああああ!!やべぇバイト!やべぇ遅刻する!!」

 さっきまで爆睡していた和樹が、寝癖も直さずにあわただしく飛び出してきた。

 …あいつ今日バイトだったのか。

「はよー達也!!今からバイト行ってくるわ!」

「おはよう、気を付けて行けよ」

 わずか数秒で階段を下りて駐輪場から自転車(大学の友人が乗らないからくれたらしい)を取ってきた和樹は、達也と軽く挨拶を交わすとバイト先へペダルを回していった。

「……」

 ひとり部屋に戻ろうとして、達也は重要なことに気づく。

「オレ、鍵もってねえ…!」

 慌てて振り向き和樹を呼び止める。

「和樹!部屋の鍵…」

「遅刻!厳禁!!うおおおおおお!!!」

「和樹いいいいいいい!!?」