「……」
に~っこりと素敵な笑顔の背後に、ゴゴゴゴ…とどす黒い圧を背負う文人を見て、理人の冷や汗はさらに加速した。
「おい!何があっ…、!!?」
遅れてベランダに出てきた達也が目の当たりにしたもの―――それは、理人が柵を乗り越えて下へ飛び降りる瞬間だった。
「ええええええええええ!!?」
いくら下にクッション代わりの草が生えていて、一般的なアパートより天井が低めとはいえ、2階から飛び降りるなんてことは普通の人間には及ばない発想だろう。
「とうっ!」
「逃がすか!!」
しかも文人まで隣のベランダから飛び降り、華麗に着地という理人と全く同じ行動をやってのける。
「どはああああああああ!!!?」
達也はもう意味のある言葉を叫べなかった。

