第9回 映画「アポロンの地獄」のご紹介。
7月に入ります。梅雨の合間に次第に暑く温度も高い湿気も高い日々が続いている中、皆さんお元気でしょうか。この原稿を書いている今は日本には日本海側に台風が入って来ようとしている最中ですが、そんな中でもサポートぴあでは作業に皆さん一所懸命に取り組み、また一段と日々が過ぎて行きます。一体梅雨が晴れに変わるのは何時頃に成るでしょう。
映画紹介その第9弾は、この超有名古代ギリシア悲劇の映像化作品です。
イタリアの詩人にして映画監督でもある奇才ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の代表作です。私はもう十何年か前でしょうか、高知県立美術館の美術館ホールで行われていたパゾリーニ監督諸作品の上映の中でひときわ印象に残っている1映画作品に成ります。
その才能は日本の作家筒井康隆氏と比較して映画では遥かに凌駕するといった感じでも、一方では逆に筒井さんは「パゾリーニ賞」をイタリアから授章されているゆえんも有ります。
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此処は古代ギリシア。諸ポリスの1つ、テーバイには問題が発生していた。ギリシア諸都市の中で繁栄していたこの都市国家に不吉な疫病が流行りだしたのだ。
そこでテーバイの王位に就いていたオイディプス王は「その事の理由」を探ろうとする。その真実を知る占い師に制止され、が次第に事の「真相」に立ち向かっていく事になる──。
実は彼は「テーバイに不幸をもたらす」として王家より追放された、幼児の頃捨てられた王子だった。その事も知らずに育った彼は、知らずの内に父を殺し、奇怪な怪物スフィンクスを倒して其の功績を認められ、テーバイの王位に就き、知らずと「実の母」と結婚して子供を設けてしまっていた。
それが全てのわざわいの「元」であり、原因・真実だった。
最後に彼は自分で自分自身の両眼をくりぬき、そしてテーバイを去ってゆく・・・。
「運命付けられた子」オイディプス王を巡る、この古代ギリシア悲劇最高峰とさえ言われる演劇の映画化は、その映像美はとてつもなく妖しい程美的で、この監督らしいショッキングな内容と突然舞台を現代に移したエンディング効果です。ほか「王女メディア」など同監督の諸作品と共に不滅の珠玉イタリア映画作品の1代表と成っている、と感じています。
私は思い出すのですけど1998年、放送大学がその電波受信や地域学習センター設備の全国カヴァー化を果たした頃、私はその科目履修生から事始めました。その最初に選んだ1科目のみとしてテレビ放送授業の有る『芸術の古典と現代』を青山昌文先生に学びましたが、先生が「演劇」の芸術例としてこの「オイディプズ王」戯曲を挙げたのを回想します。
そんな所で今回第9回を終わり、次回第10回ではノーベル経済学賞を受賞した実在の人物の伝記映画、「ビューティフル・マインド」を話したいと思います。お楽しみに。
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