⭐️私が今、思うこと vol.98⭐️
●小さな楽しみ…「独楽吟(どくらくぎん)」
自粛生活が続いています。単調な毎日にストレスを感じたり、また何気ない暮らしを愛おしく思ったりと気持ちが揺らぎます。
「独楽吟」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。「たのしみは…時」という形、五七五七七で詠む和歌(短歌)のことです。橘曙覧(たちばなあけみ)という江戸末期の清貧の国学者が詠んだ連作52首があります。
その中に次のような一首があります。
「たのしみは 朝おきいでて昨日まで無りし花の咲ける見る時」
これは十数年前にアメリカのクリントン元大統領がスピーチで「100 年以上前に詠まれた歌だが、その心は時代を超えたものがある」と紹介して話題になりました。これがきっかけで出身地の福井市に橘曙覧記念文学館が誕生しました。
ステイホームを強いられている今にぴったりの歌が52首の中にあります。
「たのしみは 心をおかぬ友どちと笑ひかたりて腹をよるとき」
こんな日が早く来ることを心から願います。
私もお恥ずかしながら一首ひねり出してみました。
「たのしみは チーズでワイン飲みながらアマゾン無料ビデオ見るとき」
皆さんも自分にとっての小さな楽しみを探して一首詠んでみませんか。
(サポーター う)
※参考資料・福井市橘曙覧記念文学館HP
『橘曙覧の志濃夫廼舎歌集』に52首が掲載されています。