「がんばらなくていい」がん経験者が本音で話せる居場所。色・音・花・言葉の癒しで、心に穏やかさを取り戻す
心に寄り添うピアサポート。乳がんサバイバーの飯尾きくです。
ある日、テレビのドラマの中で、ふと流れた一言がずっと心に残っています
「根拠のない大丈夫は、優しさでできている」
一見、何気ない言葉。だけど、聞いた瞬間に胸が
じんわりしたのを覚えています
「大丈夫だよ」と言いたくなるとき
誰かがつらそうなとき、どう言葉をかけたらいいか
分からないことってありますよね
不安そうな友人に、落ち込んでいる家族に、
私たちはよく「大丈夫だよ」って声をかけます
その言葉に、実は特別な「根拠」なんてありません
でもそれは、「何かしてあげたい」
「そばにいたい」という気持ちの現れなんですよね
でも…あの日は、その言葉が刺さった
乳がんの告知を受けた日
頭が真っ白で、身体の震えも止まらなくて
そんな私に向けられた言葉が
「大丈夫だよ」
「命が助かってよかったね」でした
でも、そのときの私は
「何が大丈夫なの?」
「あなたに私の何が分かるの?」
と、心の中で叫んでいました。
優しさを、受け取れない心
もちろん、その言葉をくれた人が悪いわけじゃない
むしろ、優しさ100%で、私を思っての言葉だった
今ならよく分かります
でも、当時の私は、受け止める余裕がなかった
心がいっぱいで、傷つきやすくなっていて、
優しささえも「無神経」として跳ね返してしまった
それは、今思えば本当に申し訳なかったと思います
「どう伝えたか」ではなく、
「どう伝わったか」
言葉って、本当に不思議です
伝えたい想いは同じなのに、使った言葉によって、
相手の心に響いたり、逆に傷つけてしまったり
私が経験して思ったのは、
「どう伝えたか」よりも、
「どう伝わったか」が大切ということ
自分の優しさが、相手にとって本当に「優しさ」
その感度を持てるようになったことは、大きな気づきでした。
傷つけない・すれ違わない「言葉」を選ぶために
そんな経験から、私は「言葉の選び方」「伝え方」の大切さに
興味を持ち、今では「自分も相手も傷つけない言葉」を学び、
伝える講座も行っています
- 自己肯定感を高める言葉の習慣
- 感情的な時こそ使いたい「穏やかな言い換え」
- 相手との温度差を埋める共感の伝え方
そんなテーマで、心が軽くなる言葉のワークをご紹介しています。
「大丈夫」って言いたくなる、その気持ちも、大事にしたい
あの日、私に「大丈夫」と言ってくれた人たち。
あの言葉がなかったら、私はもっと孤独を
感じていたかもしれません
だから今は、
「根拠がなくても、大丈夫って言っていい」
そう思えるようになりました。
ただし、その一言が相手に届くように…
「相手の心に合わせて届ける」ことを、大切にしています
「大丈夫」は、ただの言葉じゃない
想いが届く“力”にも、“刃”にもなるから
だからこそ、優しさを伝える言葉を、ちゃんと選べる自分でいたい![]()




