オープン就労/クローズ就労 | ピア精神保健福祉士として

ピア精神保健福祉士として

ADHD(発達障害の一種)の当事者であり、精神保健福祉士でもあります。当事者性を持つ専門職として、そして、専門性を持つ当事者として、「当事者」と「専門職」の架け橋になっていきたいと思います。

発達障害を抱える人が就労する場合、
「障害を開示するオープン就労がいいか、それとも、障害を開示しないクローズ就労がいいか。」
について、当事者会でも議論になることがしばしばあります。

(ピアスタッフではない)支援者の中には、
「クローズ就労よりもオープン就労の方がいい。」
と一方的に決めつける方も見受けられますが、私はそんな簡単に言い切れるものではないと強く感じています。

「障害をオープンにしたからこそ、嫌な思いをしている。」
という話は、当事者界隈でもしばしば耳にするからです。

具体的には、
・「仕事ができない人」と一方的に決めつけられ、仕事を与えてもらえなかった。
・大事な局面で外された。
・「障害がある」という理由で一人前に見てもらえなかった。
・障害を理由に仲間外れにされた。
・本人の許可なしに、障害について他の人に話された。
・発達障害のことを教科書通りにしか理解していなくて、一方的に特性を決めつけられた。
などです。

また、職種の幅が限定されるのも、オープン就労の欠点ですね。

しかし、上記のようなことは起きず、オープン就労に切り替えたことによって仕事が充実したものになる場合もあるのは事実でしょう。

オープン就労にするか、クローズ就労にするか。

一番大切なのは「自己決定の尊重」ではないでしょうか。