0725 | 桃色吐息。

0725

立ち上がった瞬間、ぐらりと足元が歪んだ。

思わず「そんなに疲れてたっけ?」と自分の生活を振り返ったが、そうではなかった。

コップの水面がゆらゆらとゆれるのを見て、その時やっと地震だと気付いた。

地震速報がテレビに流れるまでの間も、地面はゆらりゆらりと揺れつづける。


「このあと大きな地震になったらどうしよう。」


と不安に駆られながら、ぼんやりと御巣/鷹山のことを考えていた。

ちょうどその日「沈ま/ぬ太/陽 御巣/鷹/山/篇」を読み終えたばかりだったわたしは、

揺れる地面の上で、墜落までの30分間の520人の乗客のきもちを想像した。


このあと、なにかが起こって大惨事になるかもしれない。

でも、どうしようもない、身動きがとれない。


「空」という密室と、自分の部屋を比べるのもおこがましいが、

火のついた導火線を間近で見ているような心境は、本当に苦しい。


平凡に幸せを噛み締めていきている人を、絶対にそんな恐怖に晒してはいけない、と強く思った。

人災にせよ天災にせよ、思いがけないところからふりかかる。

まさか自分が、まさか自分の家族が。

みんなそう思っている。

自分は今回、たまたま逃れられただけなのだ。

地震の直後も、テレビでは綺麗な顔をしたキャスターが、綺麗な声で原稿を読み上げていた。

「偶然」昨日と同じ今日を生きられる私たちができることは、原因解明ではないだろうか。

次に同じ惨事を引き起こさないため、平凡なしあわせをもう奪わないため、

ひいては、自分の明日を守るため。

惨事の原因を究明し、防衛策を練ることが必要なのだとおもった。