総所得金額
金財実技でも総所得金額を求める問題は出ますが、FP協会実技ではごく簡単な損益通算のルールさえ覚えていれば解けます。
2023年9月実技 問16
会社員の増田さんの2023年分の所得等が下記<資料>のとおりである場合、増田さんが2023年分の所得税の確定申告を行う際に、給与所得と損益通算できる損失はいくらになるか。なお、▲が付された所得金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。また、記載のない事項については一切考慮しないものとし、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。
<資料>
所得の種類 |
所得金額 |
備 考 |
給与所得 |
540万円 |
勤務先からの給与で年末調整済み |
不動産所得 |
▲70万円 |
収入金額:180万円 必要経費:250万円(※) |
譲渡所得 |
▲40万円 |
上場株式の売却に係る損失 |
譲渡所得 |
▲15万円 |
ゴルフ会員権の売却に係る損失 |
(※)必要経費の中には、土地の取得に要した借入金の利子の額25万円が含まれている。
-70万円+25万円=45万円
【正解】45万円
2023年1月実技 問18
会社員の山岸さんの2022年分の所得等が下記<資料>のとおりである場合、山岸さんが2022年分の所得税の確定申告を行う際に、給与所得と損益通算できる損失に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、▲が付された所得金額は、その所得に損失が発生していることを意味する。
<資料>
所得の種類 所得金額 備考
給与所得 396万円
不動産所得 ▲100万円
必要経費:700万円
必要経費の中には、土地の取得に要した借入金の利子の額120万円が含まれている。
雑所得 ▲10万円 副業について初期投資による経費発生が多かったことによる損失(赤字)
譲渡所得 ▲150万円 上場株式の売却による損失
1.不動産所得▲100万円と損益通算できる。
2.副業の雑所得▲10万円と損益通算できる。
3.上場株式の譲渡所得▲150万円と損益通算できる。
4.損益通算できる損失はない。
不動産所得は-100万円+120万円=20万円なので、損益通算できる損失はありません。
【正解】4
2022年5月実技 問37
文恵さんの母である佳子さん(75歳)が2021年中に受け取った公的年金および終身保険の解約返戻金の明細は下記<資料>のとおりである。2021年分の所得税の確定申告に際して、佳子さんが申告すべき合計所得金額(所得控除を差し引く前の金額)として、正しいものはどれか。なお、佳子さんには下記以外に申告すべき所得はない。また、前年以前から繰り越された純損失の金額等はないものとする。
1.1,000,000円
2.1,100,000円
3.1,800,000円
4.2,000,000円
①一時所得
生命保険契約の解約返戻金は一時所得の課税対象になります。
(800万円-550万円-50万円)×1/2=100万円
②公的年金等の雑所得
年金収入は支給時点の年齢によって控除額が異なります。
問題では75歳なので、65歳以上は110万円を超えなければ0円として扱います。
遺族年金と障害年金は非税扱いです。
老齢基礎年金70万円→0円
遺族厚生年金→非課税
③総所得金額
2021年9月実技 問15
「駐車場経営を始めた2015年から青色申告者となっており、帳簿書類の備え付け等の要件は満たしている。なお、この駐車場経営については、その収入は不動産所得に該当するが、事業的規模に該当しない。」
青色申告している場合、最高65万円の青色申告特別控除を受けることができます。
しかし、このケースでは事業的規模ではないため、10万円の控除になります。
73万円-10万円=63万円
総所得金額は63万円になります。
2021年5月実技 問38
不動産所得の損失のうち、土地取得に要した負債の利子相当部分は、他の所得と損益通算できないので、不動産所得は160万円の所得があるとみなされます。
株式等の譲渡による譲渡所得は分離課税のため、総合課税である給与所得とは損益通算できません。
よって、損益通算できる損失はないことになります。