土地の譲渡所得
土地の譲渡所得では重要な論点である長期短期の譲渡所得・概算取得費・3,000万円の特別控除などを抑えておく必要がありますが、FP協会実技では資料の中の数字を引き算するだけで解けます。
これが2級問題なんて信じられないと感じる人も多いと思います。
2024年1月実技 問9
浜松さんは、居住している自宅マンションを売却する予定である。売却に係る状況が下記<資料>のとおりである場合、所得税に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる数値または語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については一切考慮しないものとする。
<資料>
取得日:2019年2月5日
売却予定日:2024年2月9日
取得費:4,800万円
譲渡価額:8,300万円
譲渡費用:290万円
※居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例の適用を受けるものとする。
浜松さんがこのマンションを売却した場合の特別控除後の譲渡所得の金額は( ア )万円となり、課税( イ )譲渡所得として扱われる。
1.(ア)210 (イ)短期
2.(ア)500 (イ)短期
3.(ア)210 (イ)長期
4.(ア)500 (イ)長期
8,300万円-4,800万円-290万円-3,000万円=210万円
【正解】1
2023年9月問10
橋口さんは、自身の居住用財産である土地・建物の譲渡を予定しており、FPで税理士でもある吉田さんに居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例(以下「本特例」という)について質問をした。下記<資料>に基づく本特例に関する次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。
<資料>
土地・建物の所在地:○○県××市△△町1-2-3
取得日:2020年2月4日
取得費:2,500万円
譲渡時期:2023年中
譲渡金額:3,200万円
(ア)「2020年に本特例の適用を受けていた場合、2023年に本特例の適用を受けることはできません。」
(イ)「橋口さんの2023年の合計所得金額が3,000万円を超える場合、本特例の適用を受けることはできません。」
(ウ)「譲渡先が橋口さんの配偶者や直系血族の場合、本特例の適用を受けることはできません。」
(エ)「本特例の適用を受けられる場合であっても、譲渡益が3,000万円に満たないときは、その譲渡益に相当する金額が控除額になります。」
(ア)×
3年に1回です。
「2020年に本特例の適用を受けていた場合、2023年に本特例の適用を受けることはできません。」
(イ)×
「橋口さんの2023年の合計所得金額が3,000万円を超える場合、本特例の適用を受けることはできません。」
(ウ)○
「譲渡先が橋口さんの配偶者や直系血族の場合、本特例の適用を受けることはできません。」
(エ)○
「本特例の適用を受けられる場合であっても、譲渡益が3,000万円に満たないときは、その譲渡益に相当する金額が控除額になります。」
2023年5月実技 問9
山岸さんは、7年前に相続により取得し、その後継続して居住している自宅の土地および建物の売却を検討している。売却に係る状況が下記<資料>のとおりである場合、所得税における課税長期譲渡所得の金額として、正しいものはどれか。なお、<資料>に記載のない事項は一切考慮しないこととする。
<資料>
・ 取得費:土地および建物とも不明であるため概算取得費とする。
・ 譲渡価額(合計):5,000万円
・ 譲渡費用(合計):200万円
※居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例の適用を受けるものとする。
※所得控除は考慮しないものとする。
1. 1,740万円
2. 1,550万円
3. 1,480万円
4. 1,300万円
5,000万円-200万円-3,000万円-(5,000万円×5%)=1,550万円
【正解】2.1,550万円
2022年5月実技 問10
杉山さんは、9年前に相続により取得し、その後継続して居住している自宅の土地および建物の売却を検討している。売却に係る状況が下記<資料>のとおりである場合、所得税における課税長期譲渡所得の金額として、正しいものはどれか。なお、<資料>に記載のない事項は一切考慮しないこととする。
<資料>
・ 取得費:土地および建物とも不明であるため概算取得費とする。
・ 譲渡価額(合計):6,600万円
・ 譲渡費用(合計):240万円
※居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例の適用を受けるものとする。
※所得控除は考慮しないものとする。
1.3,600万円
2.3,360万円
3.3,270万円
4.3,030万円
①概算取得費
取得価格が不明な時は売却代金の5%を概算取得費として費用計上できます。
6,600万円×5%=330万円
②3,000万円特別控除の特例
「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例の適用を受けるものとする。」となっているので、
6,030万円-3,000万円=3,030万円になります。