『どうして、その人がよかったの?』


女達の質問が、どうも嫌いだ。

それは昔からだ。


みんな理由があるんだなぁ。

良い。も、悪い。も理由があるんだなぁ。


私は、他の人みたいに上手く説明出来ない。


蜃気楼みたいな感じ。

海の向こうに、浮かんでる実際にはない建物。

そんな感じ。


けれど、こんな気持ちになれる人なんて、

そうはいないよなぁ。

そんな人が人生の中で2人ほどいる。


そうそう、この感じよ。

そんな感じの人。


どちらも、別段、恋人だったわけでも寝たわけでもない。でも自分なんかどうだっていいんで、

幸せになって欲しい。そんな感じだった男の人。


その2人について言えば、

誰を抱いていようが、誰とお付き合いしていようが、何股だろうが、正直どうでもよくて、

素晴らしい女性が現れて、

言ってみれば、比較的普通の幸せ。というやつを是非そばにおいて欲しいと願わずにはいられない、そんな男性だった。


1人目は20歳くらいの頃、好きだった人。

なんだか見えている景色が全部冷めている。

私にはそんな風に見えた人。

どれもこれも、バカばっかだな!

世界なんか明日終わればいい!

なんて劇作家の書くチープな脚本みたいな、

暴発的性格。を隠し持ってる感じの人。

『なぁ、なんで人間って生きてんだろうな』

前に座って、いきなり話してくる人。 

『なぁ。結婚ってなんだ?』

おいおい、20歳にいきなり聞くなよ!

あなたは27ですよね?みたいな人。

女に詰め寄られたな、、これはな、、、

なんて、ちょっと面白かったりもして。


覚えちゃいないだろうけれど、

当時、27か28でそんな事、

バンバン平気で口にする人。


私ごときじゃ到底無理な難解さ。があるものだから、誰でもいいからこの人と普通の恋愛して普通の温かさの中で愛を育んで欲しいなぁ。


そんな事を当時20くらいの自分が考えていた。


『なんで、その人好きなの?』

女友達に聞かれても、答えられるわけもない。

自分でもわかんないのだ。


好きを超越して、幸せになって!

なにかお手伝い出来ることないかしら?状態。


今は遠距離結婚みたいな感じが見受けられるので、それはそれでお幸せそうだから、

いいのだけれど、あの当時はその人の事が好き過ぎて、バス停で泣いちゃうくらい可愛いい女の子をしていた私。


自分に何か恩恵が欲しいなんて一個もないのである。彼のことが好きすぎて、彼氏捨てちゃったけど、彼氏にはあれやこれや求めてみたりしていたくせに、その人に何かを求める気持ちなんか全然出てこない。付き合いたいわ!もない。

とにかく幸せになって。


でも人間なんて勝手な生き物で、

特に若い季節なんて、自分の幸せの定義に勝手にはめこんじゃ、願ってみたり。


その人は年齢を重ねても相変わらず難解で、

いつも怒っていて、時に繊細で、

あんまり変わらないんだなぁ。なんて、

微笑んでいたりもする。

横に奥さんいようがなんだろうが、

結局、変わらないんだなぁ。みたいな、、、


ま、その人の考える幸せが掴めているなら、

それでいいのだ。


2人目のよくわかんないけど、

自分が何か欲しいから。ではない、

好きだなぁ、この人。は、30代で見つける。

ま、こっちも同じ。


自分が何か欲しいでも、自分の欲求がどうのははっきり言って、全くない。

とにかく幸せになって欲しい人。


何人の女が横にいようが、

どういう状態であろうが、幸せになって欲しい人。


難解なのである。とにかく。

ほぉ。と耳を澄ませしまう感じ。

その価値観と発想は普通にやばいだろ。

を、1人目と同様、感じてしまう。


なんでもいいから幸せになって!

なんて、またしても思ってしまう。


けれど、私は気づいてしまう。


誰といようが、その人だけの幸せの定義があって、案外、この私が蜃気楼のように愛しちゃった男は、1人でいる時の世界との対話。が、

一番幸せだろ!言ってみろ!

なんて気持ちになるのである。


難解で複雑でたまに様子がおかしくなって、

そしてポーカーフェイス。


あとにも先にも、その2人だけだ。


自分は何もいらないから、

とにかく幸せになって!と願えた人間は。

何かご協力出来ることは?は、

お2人とも、いりません。

と言いそうなお2人。


申し訳ないけど、

だれもかれもに、これは感じない。


多分、この手の人を見て、しかもまぁ魅力的な人だったりしたとき、

私の蜃気楼はボヤーンと現れる。


私じゃなくていいから幸せになって。


そんな詩まで書いたなぁ。懐かしいなぁ。

20歳の私を抱きしめてあげたいくらい、

可愛いい!


そうかと言って、20歳の時に好きだった相手が、

バーンと出てきて、

『抱いてやろうか』なんて言われても、


体液の交換。とか言ってましたよね?

どうぞ、よそで。


なんて笑っちゃいそうな自分しか見えてもこない。


まるで子を思う母の気分である。

幸せになんなさい!みたいな、、、、、


だれもかれもにそれを感じない以上、

そんな稀有な愛情を感じることの出来る人に、

人生の中で2人も出会ったのだ。

すごくないか?これ。


他の人にそんな気持ち感じないわけだから、

すぐ捨てちゃうし、

ひどいものである、、私の場合は。

なんか言われたら、ムカつくし、

喧嘩になるし、はぁー?とかなっちゃうし。


蜃気楼のような思い。


すごいよなぁ、、、、、


人それぞれ、心がそう流れるポイントがある。


私の場合は、


『崩壊している呟き』にそれはある。


絶対幸せになれないやつ。

なのを、もう自分でよーくわかってるやつ。


みなさんはありますか?


そんなへんなポイントで人を好きになったり、

大事に思えたり。そんなようなこと。