最近、日本の音楽を聴かなくなった。

2つだけ聴いている。

きっかけもない。別になんとなくやめてしまった。


好きすぎる男がいて、これはもう自分の心がもたない。そんな感じ。

女性アーティストであれ男性アーティストであれ、好きすぎる男。みたいなそんな感じ。


好きになりすぎた男がしんどそうだと辛い。

好きになりすぎた男が誰かに責められていると辛い。好きになりすぎた男が不安定だと辛い。

好きになりすぎた男がうかれてたら、それはそれでいいのか、、、

好きになりすぎた男が図にのってたら、

なんとなく居心地が悪い。


自分の気持ちが揺れることを、

切ってしまいたくなるその感じに似てる。


私はアメリカンの彼氏の事が大好きだった。

けれど、彼を養えないんじゃないか。だとか、

彼に何かあった時に自分がどこまで出来るかだとか、そんなことを考えていたら、

ちょっとのこと。をタイミングにして、

別れてしまった。

そのほとんどが綺麗な思い出だったから、

綺麗な思い出のままに別れたかった。


ダメだよなぁ、、、


若い季節の恋愛の時なら、

なんとかしがみついたり、もがいたりしながら、

未来。を願うものだ。

それは結婚だったり、継続的な孤独からの逃避。


もう十分な年齢になっていると、

1人でも生きていける自信のようなものがあるものだから、迷いがない。


それはそうと、音楽たち。


男も女も、私にはなんという魂たちだ。

と、感動させてくれるそんな存在だ。

好きなことを懸命に追っかける。

しかも自由業。

こんな怖いことがあろうか。

私なら出来ない。怖すぎて。

オファーがなければ食えない世界なんて、

恐ろしくて飛び込めない。

それを彼らは裸で飛び込んでいくようなものだ。


そこをまず考えてしまったりする。

そうしてきた上で、音楽と向き合ってきた。


不思議な夢を昔みたことがある。


何故か私は中島みゆきさんの家に行っている。

割れた盃。

それはもう1000ほどある盃。

お酒をひとつの盃で飲んだあと、

底に何か文字が書いてある。

『あーそれが私の感情よ』と、

みゆきさんが言う。へんてこな夢。


けれど、それが全てのようにも思う。


勿論、脚色もするだろうし、

盛りもするんだろう。

けれど、はなっから知らない感情を書くなんてそうは出来ないだろう。

どんな気持ちなんだろうな。が、

イメージ出来なけりゃ書けないだろう。


私は昔、音楽ライターになりたいと思っていた季節がある。


こんなに素晴らしい景色を、

どうにか補足している言葉たちに恋をした。


レコード会社でアルバイトして、

案外とチャラチャラしてる人達も、

勿論いたけれど、

本質はみなさん、やっぱり、生身の心が、

確かに繊細だと思う。

サラリーマン気質の人なんて、

きっとちょっとだ。


覚醒剤、自殺。と続々とある中、

差別、蔑視のベールもどんどん地層のように降り積り、なんだか見ていて、

時折、気持ち悪くなる。


アンチ覚醒剤が人より強い。きっと。

でも理解出来てしまうのも私だ。

不安で仕方なくて、

自分しか自分の作品のこと知らなくて、

褒めてもらったからとて、

セールスに反映されなきゃ、掌なんて、

あっけなく返る世界。

ファンの人の反応でやっと立ってる人達。

孤独だろうな。と思う。

孤独な作業。であって、且つ、なかなかのさらけ出し感だ。


まぁまぁヘビーだよね。といつも思う。


そんな私は好きすぎて、

もう聴かないという不思議な現象なのだけど、


せめて彼らの環境が、

もう少しましにならないのか?ばかり思う。


お祭り騒ぎの時にはなんでもありとそりゃなるだろう。

そうではなくて、もっと根本的なところで。


安いなぁ、、といつも思う。

最近の時代はずっとそうだ。

名前。だけが先歩きしていって、

本当にこの人の音楽聴きたい人がいるのかね。

なんて勘繰ってしまうくらいに、

その人間のあれこればかりが、

空を飛んでいく。


この人達は慣れてるだろうけど、、、

なんか変わったよねぇ、、

音楽業界。といつも思う。


使っといてなんだけど、Spotifyなんて定額聴き放題だ。誰のでもなんでも聴ける。

なのに私は2人しか聴かないと決めた。

CDを大切に買っていた時代に戻りたくなったこともある。養えてせいぜい2人かな。な時代。

その人の出す作品、ジャケット、歌詞にとても価値があったから購入する。

あれやこれや欲しくても予算の都合上、買えない。せいぜい養えて2人だから、これかぁ。どなる時はそこそこの残念感はあっても、

まぁ、この人ならいいか。

次、がんばれよ!的な、、あの感じ。


垂れ流しのような音楽業界が、どんどん安くなっている。素人と変わんないじゃないか!

って、ふてくされてるミュージシャンは山のようにいると思う。


時代やマーケットを作っていく世代の世代交代がある以上、やむを得ないにしても、

なんだかやるせない。

パーティー化しすぎる流れは危険だよ。

そんなことをそっと思っている。


年寄りくさいから、あまり言わないけれど、

昔はよかった。

もうちょい、音楽は技術にフォーカスされていて、雑誌なんかでもそのことについて書けるライターがちゃんといたように思う。

CDは売れたし、ジャケットひとつでワクワクして、買ってみたら、メタルだった。

なんて、そんな失敗ですら愛おしい。

中島みゆきさんのように、手書きの歌詞カードをぶっこんでくるアーティストもいたりして、

さすがです。なんてますます尊敬してみたり。


安くなってく一方の音楽たちに、

悲しくなっちゃったんだ、きっと。


今、私は2つだけ聴いている。


とても若い頃から聴いていたレジェンドと、

これからの方向性にワクワク感のあるアーティスト。


安くなろうがなんだろうが、

好きすぎて、、辛くなってきた、、、

に何故だかならない気がするお2人。


強そうなところがまたいい。

いちいち反応しなさそうなところもまたいい。

誰になんと言われようと我が道行く感じもまたいい。いいご年齢なので舵取りをする立ち位置なのもいい。


音楽。は勢いがある。

心に数知れずある細胞のどれかに、

ピタッとくっついていく可能性がある。

ショーを見に行けば、技術職であることを、

否応なく理解出来るところも良い。

タレント芸能人。ではあっても、

私からしたら、全員技術職だ。


今聞いていなくても、

青空の下、なんとなく、


I need Power  you make Smile〜。

なんて脳内で歌い始める。

今日もがんばんなきゃな。な言葉より、

脳内で音楽が流れると、

ご機嫌な人のように歩き出せる。


彼ら彼女らの音楽たちが、

なるべく、生きやすい時代に流れていきますように。


世界に音楽があるのはきっと、

細胞たちと呼応するため。


私はそう信じている。