失恋したわけでもなく、

人間に失望したわけでもなく、

劇的な心境の変化があったわけでもなく、


少し距離を置きたいんだ‥‥‥


恋愛ドラマの男役みたいな気持ちになって、

随分経つ。


少し距離を置きたいのは、

今、そこらへんにある人間関係だったり、

日本語の音楽だったり、

日本の社会システムだったり、

そんな感じ。


ねぇ!なんでこうしてくれないの!

私、あなたのこと好きなの。

あなたなんて大嫌いよ!

ねぇ、明日はどこへ行くの?

来年はこうしようよ。

私、あなたの為にこうするわ!

あなたのこういうとこが嫌なのよ!


申し訳ないけれど、自分が男だったら、

多分、3ヶ月も持たない女みたいな感情や世情だらけで、うんざりしたのだ。


甘えん坊とヒステリーのオンパレードみたいで。


そんな自分に昔の趣味が帰ってきた。

『よぉ、元気にしてたか?』状態で。


本。たちである。


本はかさばる。だから多分相当数捨ててきた。

読んだからいいや。は、ほとんど捨てて、

残しておきたい本。それだけでも、

正直、置き場が、、、となる。

今は携帯でインストール出来るから助かる。


本。はいい。


自分の好きな時に自分のペースで心をコンコンとノックしてくる。

読みたいとこだけでいい?なんて考えなくても、

好きなところだけ読んでいいわよ。


なんていい女なんだ!


自分が男なら断然そういう女がいい。

リラックスしたいんだ、勘弁してくれ。

みたいな女のようなあれこれ。


思えば、私は幼少期から恵まれていたんだろう。


父親は私に詩集をよく買ってくれた。

難しくないようなもの。

父の本棚には沢山の本が並んでいて、

ちょくちょく覗き見しちゃあ、立ち読みしていた。野生動物、童話、畑正憲さんなんて、

みんなのムツゴロウさん。より、

私には作家畑正憲。の方がしっくりくる。

どんべえは可愛かったですよね!

なんて叫びそうになる。

子供の頃に読んだキリスト教の教えが書いてある物語。別にそんなにボタンホールを頑丈に縫わなくてもいいのに。なんて言葉を無視して頑丈に頑丈にボタンホールを縫うことで、あら?これがあったから助かった?のような教え。


恋愛の本が少ないなぁ。と、

しみじみ思う。

自分が読んできたものの中に、

恋愛のものってあったっけ?


氷室冴子というコバルト文庫の作家さんのもの、

あとは、よしもとばななさんくらいだろう。


私は本に恋しているんだろうか。


こんなことがあるんだ。

そんなことがあるんだ。

こんな考え方があるんだ。

こんな表現っていかしてる。


それを、ねぇ!ねぇってば!

ここがいいとこなの。読んで!


なんて、めんどくせぇ女みたいにならずに、

どうぞ。お好きなときにね。

石川さゆりのウィスキーがお好きでしょ?

みたいな、めちゃいい女感で、

存在してくれている。


最近は買い漁った田口ランディさんを読み返すことが、本当に好きだ。

彼女の言葉のひとつひとつは、

あーわかるなぁ。が本当に多い。

この理不尽さや、この正当性の裏にはびこってしまう人間の奢りや、善悪と簡単にジャッジすることの恐ろしさや、曖昧な中にあるものの色彩のシェア感が本来なんじゃないか?

みたいなその感じが、自分にストンと落ちてくる。


私は文章を書くことがうまくはないが、

本当に好きだ。

小学生の時は日記。

中学生の時なんて詩を書いていた。


悲しい歌のリフレインをこんなに聴いてしまう。

あなたが好きだとリフレインばかりしている私が。早くこんな歌消えてなくなればいい。


なんてのを書いた記憶もある。

チューボーである。

今はそれが誰を思っていたのかも思い出せない。


文章は不思議だ。


文字を書いていくことで、

こんなこと考えてたんだ。な自分が顔を出す。


文字を書いていくことで、

ちっちゃなアクターアクトレスが誕生する。

私が出来そうな私が光りそうな配役で。

それならかっこよく出来そう。のようなもの。


心から言葉がなくなったら、

宇宙のような空間だったら、

私はどこを飛ぶんだろう。


心許ない時にはきっと誰かのそばに、

ピトっと張り付いて動かなかったり、

心許なくない時には、

心地よいものの頭上をフワフワと飛んでる、たんぽぽの綿毛みたいになりそうだ。


言葉は自分のために使えたら、

私は居心地がいいのかもしれない。


言葉。は、

人によりけりで、

重くもなり軽くもなる。

受け取る人間で全然違う。


好きな人なんていないけれど、

大切に思いたい人は確実にいる。


最近は、本。のようないい女で、

死にたいなぁ。

そんなことをよく考える。


ねぇ!こうしてよ!

ねぇ来年はきっとこうがいいよ。

あの場所行ってみたい!みたい!

なんで連絡くれないの?

こんなに私はあなたのこと考えてるのに!


よくあるパターンだけど、

恋愛が燃えている時は、

かわいくて仕方ないソレも、

個体の肉体疲労、精神力が追いつかない時には、

あっけなく破綻する。


本来人間なんて1人でいる時が、

一番、本来の命なんだ。

誰といようが、1人なことは確かなことだと思う。


私はここで本を読んでいます。

内省を磨き続けたいです。


そんないい女風。を生きていたい。


だから誰にも気づかれないのか、、、、


あなたが好きなの。がないんだから、

気づかれもしない、

本すきの女。みたいな、、、、、


本たちは、きっと、私が永遠に恋してしまう、

そんな者たちなんだろう。


ありがとう。本たち。