子どもの血便
胃腸炎の増加ともに起こる可能性が増えるのが、血便です。
赤ちゃんのオムツを替えようとして、ウンチに血が混じっていたら…
気持ちがザワッとしますね
救急外来では『ウンチに血が混じる』と受診する方もよく見ます。
血便のよくある原因と、受診の目安についてお伝えしますね。
リンパ濾胞増殖症
新生児から乳児早期のお子さんの血便でよくあります。
腸の粘膜のリンパの塊が一時的に大きくなっていて、便などの刺激で表面からちょろっと血が出ます。便の中に線や点状に少し混じる程度のことが多いです。
母乳栄養児に多いと言われています。
裂肛
いわゆる『切れ痔』です。
便が硬い、または勢いよく出たことにより、腸の出口付近の粘膜に傷がついて血が出ます。
便秘や胃腸炎のときに見られます。
お尻を拭いた時に血が付くこともあります。
アレルギー
食べ物へのアレルギー反応で腸の粘膜に炎症が起こると、血が出ることがあります。
皮膚や呼吸の症状を伴ういわゆる『食物アレルギー』と、伴わない『新生児乳児食物蛋白誘発胃腸症(消化管アレルギー)』があります。
腸重積症
腸の一部がお互いにはまり込んで、血流が悪くなって、組織が傷んで血が出ます。
小腸と大腸の境目あたりに多く、鮮やかな赤ではなく、いちごジャムみたいな血が混ざったねっとりした便が出ます。
嘔吐・間欠的腹痛(腸の動くタイミングで定期的に痛がる)・血便が主な症状ですが、全部揃わないことも多いです。
胃腸炎の途中から後に起こることが多いです。
受診の目安
- お子さんがぐったりしていて元気がない
- お腹をひどく痛がっている
- 出血量が多い(便全体が真っ赤、全体に粘血便が混じる)
場合は早めの受診をお勧めします。
特に腸重積を強く疑う場合(上の3つのどれかを満たすことが多いです)は、腸が腐ってしまう前に解除が必要なので、至急受診してください。
逆に、血液がごく少量で、本人も元気で機嫌が良ければ、夜間救急ではなく、かかりつけ医が開くまで待って大丈夫です。
便の写真を取っておいて、(直近なら)オムツごと持参すると、言葉でお話しするより明確で良いと思います。
参考になれば幸いです