― 小児科医が伝える予防と対応 ―

こんにちは、小児科・救急科専門医で二児の父です。

今、全国的に百日咳(ひゃくにちぜき)が流行しています。
かぜに似ているけれど、重症化するリスクのある感染症です。当院でも百日咳にかかったお子さんがICUにいました。

特に赤ちゃんがかかると命に関わることもあります。
今回は、百日咳について「親として知っておくべきポイント」をわかりやすくまとめました。


🧒百日咳が重症化しやすいのはどんな人?

一番注意が必要なのは…

生後6か月未満の赤ちゃんです。

まだワクチンが十分に済んでいない時期にかかると、

  • 呼吸困難

  • 無呼吸発作

  • 痙攣

  • 肺炎
    といった重篤な合併症を引き起こすことがあります。

また、小学生〜大人でもかかりますが、「こじれた咳風邪」として見逃されることもあります。


😷百日咳の特徴的な症状

初期は風邪と似ていますが、次第に特徴的な咳が現れてきます。

🌀特徴的なポイント

  • 強く激しい咳が続く(数週間〜数か月)

  • 咳の後に「ヒューッ」と音を立てて息を吸う(笛声様吸気)

  • 咳込みすぎて顔が赤くなる、嘔吐する

  • 夜間に悪化しやすい

  • 発熱はあまり目立たない

特に赤ちゃんでは咳き込まずに突然呼吸が止まる(無呼吸)こともあるため、注意が必要です。


💊治療について

百日咳は、細菌感染によるもので、
発症初期(咳が出始めてから1~2週間以内)であれば、マクロライド系抗生物質(クラリス、アジスロマイシンなど)が有効です。

ただし、

  • 咳が長く続いてからでは、菌は死滅していても咳だけが続くため、抗生物質の効果は限定的です。

  • 咳による体力消耗、嘔吐、無呼吸などへの**対症療法(入院・酸素投与・モニタリング)**が必要な場合もあります。


💉ワクチン接種の重要性

百日咳は、ワクチンで予防できる感染症(VPD)です。

🛡ワクチンのポイント

  • 4種混合ワクチン(DPT-IPV)に含まれています

  • 生後2か月から接種スタート、1歳までに3回+追加1回(計4回)

  • 中学生以降は免疫が低下してくるため、大人の再感染もありうる

👶大切な考え方

「赤ちゃんを守るには、周囲の大人のワクチンも大切」

赤ちゃんの周囲にいる家族や医療者がワクチンを打って感染を防ぐ方法が推奨されています。


👨‍⚕️小児科医からのメッセージ

百日咳は「ただの風邪」とは違い、命を脅かす咳になることもある病気です。

特に、まだワクチンが完了していない赤ちゃんを守るために

  • 親子ともに予防接種を受けること

  • 咳が長引くときは早めに医療機関を受診すること

  • 周囲にうつさないためのマスク・手洗いを徹底すること

をぜひ意識していただきたいです。