こんにちはpedcardです。

 

本日の外来通院のコツはBNPです。

 

前回の更新から2週間も空いてしまいました。。。

決してブログを忘れた訳ではないんですけど、後輩の論文の締切、看護師さん向けの雑誌の締切、成人先天性心疾患の新しい専門医制度への申請など、通常業務以外でも色々あって。すいません、ただの言いわけです。

 

では気を取り直して頑張っていきましょう。

 

(2) BNP

 

[用語名:日本語]

脳性ナトリウム利尿ペプチド

 

[用語名:英語]

brain natriuetic peptide

 

[略語]

BNP(ビーエヌピー) 

 

[測定方法]

血液検査で測定します。

正常値:18 pg/ml以下

 

[意味]

ざっくり言うと、心臓が苦しくて、自分の苦しさを減らそうとして自身の細胞から放出しているホルモンのことです。心臓は血液を運ぶのが仕事です。そのため心臓が楽になるには血液が減ればよいのです。そのため利尿(利尿剤の利尿と同じです)という、オシッコを増やすホルモンを自身で放出するのです。また特に心室の負担を表す指標として用いられます。

 

そのため、基本的にはその値が小さいほど良い、大きいほど悪い傾向があります。

 

ただし、前回のレントゲン同様、全ての医療系検査に当てはまることですが、

 

「この検査って、私(うちの子)にとって、どれくらいがちょうど良いんですか?」

 

って聞いてみてください。心疾患でも弁狭窄の患者さん、弁逆流の患者さん、心筋が動かない患者さんそれぞれで上昇の幅が異なります。先天性心疾患の中でも最重症と言われるFontan(フォンタン)手術後の患者さんは意外と低かったりします。

 

では値が上昇していたら病気が悪化しているのでしょうか?それは必ずしもイコールではありません。心臓が負担に感じているという意味では正しいのでしょうが、悪化とは限りません

 

心臓が負担を感じているということは

 

「心臓が供給できる血液の量(供給)<身体が必要としている血液の量(需要)」

 

という需要と供給のバランスで決まります。

 

もし超重症な患者さんでも

 

「心臓が供給できる血液の量:少量 = ベッド上安静していて、身体が必要としている血液の量:少量」

「供給 = 需要」

 

であれば、BNPの上昇はそれほどではありません。

 

つまり、病気が悪化していなくても、

 

「心臓が供給できる血液の量:少量 < 頑張って動いてしまったため、身体が必要としている血液の量:中等量」

「供給 < 需要」

 

となるため、心臓が悪くなっていなくても供給が追いつかず、負担が増えるのでBNPは上昇します。

 

一番困るのは心機能の悪化であることは間違いありません。

ですが、他に油断して水分を摂り過ぎたり、激しい運動をしたり、感染症にかかったり、などの本来と違ったイベントは無かったかどうかを思い出す必要があります。

 

前回の採血に比べて、データが悪くなっていた場合は、本当に心機能が悪くなったのか、前回の採血からの生活で改善すべき点が無かったのかどうかなどを考える材料として使用してほしいと思います。

 

 

まとめ

・BNPは心臓を楽にさせるために心臓自身が放出するホルモン

・一般的には大きいほうが悪い

・正常は18 pg/ml 未満

・心室の負担を表しやすい

・需要と供給のバランスが崩れたときに悪化する

・本当に心機能が悪化したのか、需要が大きい生活をしていたのかを考える必要がある

 

ではまた。

 

 

PS)

今日いつもの様に回診に行きました。土曜日だったので私服で回診をしていたら、病棟のお母さんたちに

 

母s :「今日はどうしたんですか?」

pedcard:「お休みだから私服なんです」

母s:「先生いつも病棟にみえますよね?」

pedcard:「大抵休みの日でも回診には来てますかね。学会とか研究会があると来れない日もあるんですけど」

母s:「いつも本当にありがとうございます。お休みの日まで子どもたちのことを診に来てくれて」

 

 

pedcard感激です。私たちは患者さんやご家族のこういった一言で救われ、頑張れます。こういった休みの日の回診ってサービス残業って言うんでしょうか、もちろん時間外とかはつきません。うちの妻は医療者なので、こどもたちのために頑張ってと土日も送り出してくれますが、医療者ではないパートナーと結婚した医師の中には時々、なぜ休みの日に当直の先生はいるのに病院に行くの?とか言われることもあるそうです。それが家庭内不和の原因になることも。。。怖い。。。

 

 

お母さんたちとの会話の後、

「頑張る気力を与えてくださって本当にありがとう」

と心で叫びました。いつもより足取りが軽い、幸せな一日を過ごすことができました。