恋刃 五條瑛

* 恋刃 五條瑛/双葉社
3月はちょっとお金使う用事があったので、4月に入ってからようやく買いましたー。
革命シリーズ第四巻ですね。
相変わらず、冒頭文?が恥かしくなるくらいに詩的です。
てかはっきり云っちゃう!
五條さん!アナタの文章 時々背中が痒くなっちゃうくらい恥かしい!!
でもそんなところがスキ!!!!
(お前なんだ!?)
女性のハードボイルド作家さんということで、高村薫さんと比較されがちですが、
やっぱり この二人を分けるのは文章の詩的さの違いだと思いますよ。
てか五條さんの文は装飾文が異様に多い、比喩も多い!
あと、比喩がちょっとエロイ!!!(関係なくない?)
登場人物を評する言葉を少なめにしたら絶対 もうちょっと話詰められると思う!
といつも思ってしまいます。
てか革命シリーズは本当に全巻通して伏線張りまくっているので、正直忘れてる部分や、
あるいは嗚呼!あそこ伏線だったのかい!!
っていうか***は***だったのか!!!みたいな。
↑は今回一番驚いたのですが、ネタバレなので、云えない。
てか正直一回こっきりかと思ってたキャラクターがバンバン出てきたりとして、
このままどんどん人物が増えていくのかと思うと、期待に胸膨らむような
ちょっとうんざりしてしまうような複雑な気分……。(おい)
てか紫嵐の文庫版のオビの「五條版 水滸伝」ていうのには、「おい」とツッコミたくなりましたが、
本当にこのままだと登場人物欄に関しては水滸伝になってしまいそうだ…。
で、ここまでツラツラ書いといて今更あらすじですが、
経済産業省に勤める桑田は、理想どおりの人生を歩んできた。仕事は順風満帆、家庭も平凡ながら円満、
何一つ不自由などはない生活。しかし、どこか満たされないものを感じていた。
そんな時、舞い込んだ一枚のハガキ。
それは高校時代の不思議な友人からの刺青アートの展覧会の案内状だった。
…とまぁ、ここまでがプロローグの流れなわけですが、
本当は別にこの高校時代の友人がガチでこの桑田とからんでくるわけではないのです。
正直、これは桑田の恋とそして破滅への話なので、この刺青職人(= 彫翔)は 彼 の物語には、
殆ど登場しないのです。ただ、香りを残すだけ。
それでも間違いなく、このハガキこそ、彼を破滅へと踏み込ませるキィだったのだと思います。
生まれる卵にヒビを入れる第一発。
この革命シリーズを読むといつもひよこのインプリンティングを思い浮かべてしまうんですよ。
革命シリーズの主人公達はいつだって最初は殻に入ったひよこに思える。
それがパカリと開く瞬間を書き留めたのが、この小説だと思うんです。
というかこの革命シリーズは、サーシャが起こそうとしている革命を指しているのではなく、
この物語に登場する人たちのREVOLUTIONなのだろうとおもうんです。
そして、殻から出てこれたひよこは外の世界を知るんです。
その目に広がる世界に満ちるものがたとえ絶望だろうが、希望だろうが、
生れ落ちてしまった以上、目を見開いてその世界をみなくちゃいけない。
もうその目を覆ってくれる暖かで不確かな殻はもう破けてしまったのだから。
そして殻から出て初めて映るもの、分からない世界で縋るものはそれしかないのです。
その人の進む道が破滅であれ 自分は盲目的にその人についていくしかないのです。
それが
亮二にとってのサーシャであり、
鳩にとってのすみれ、
エナにとってのヤスフミ、
そして今回での桑田にとってのリャンであったのです。
…んで彼らの 革命が それぞれのサブタイトルにつながっていくんですね。
革命シリーズ…というか五條小説は、読み終わった後、タイトルの重さに気付く小説だよなぁといつも思います。
っていうかいいタイトルつけるよなぁ…毎回……。
革命シリーズなんかそんな言葉無いだろ。とか毎回思うのに、読み終わったあといっつもそのタイトルに納得しちゃうんだもんなぁ。
恐るべし。五條瑛!
……とまあ恋刃語りというよりは革命シリーズ全体への感想でしたね。こりゃこりゃ。
とりあえずこのシリーズは一応単体で読めなくはないですけど、やはり全作を通して読むべき一品なので、是非 第一作目「断鎖 ESCAPE」よりお読み下さい。
…うん、でもそれより先にプラチナビーズをお読み下さい。それで鉱物シリーズと平行して読むことをお勧めします。
なんか噂では最終的に二つの話がリンクするらしいので…………。
うーん…商売上手だな。やはり恐るべし五條瑛!