10/17(日)、私は「認知症について認知症の方から学ぼう!鎌倉III」に、参加しました。

主催は、かまくら認知症ネットワーク です。
http://kamakuraninchishou.com/
今回は、オンライン(Zoom)で開催されました。

 

これが開催されるということは、川崎市認知症ネットワークからの情報提供があって知りました。
私が所属している市民後見団体は、川崎市認知症ネットワークに所属しているのです。

かまくら認知症ネットワークは、今年で設立10周年だそうです。(パチパチパチ)
この団体では、オンラインで認知症家族勉強会・カフェを開催していたり、

http://7965125b0078ac63.lolipop.jp/down/online2021.pdf

"歩く認知症カフェ"「かまくら散歩」などの活動をしているそうです。

 

 

参加者は、最大100名でしたが、実際は50~70人ぐらいだったと思います。
10時~16時までの長時間だったので、途中から入ったり抜けた方も多かったと思います。

午前中は、繁田雅弘先生と長田乾先生の講演、
昼休みは、団体紹介動画と、稲田代表と永田久美子先生の対談、
午後からは、丹野智文さんの講演と、認知症本人のセッションでした。

繁田先生は、東京慈恵医大の教授で、慈恵医大附属病院の認知症専門医ですが、
平塚の実家「SHIGETAハウス」を、暮らしに役立つ場づくりやサイト運営などを地域の皆さんと一緒に進めていく活動をされています。(認知症カフェの様なもの?)
https://shigetahouse.org/

 

繁田先生は、「認知症を自分事として」というタイトルで講演されました。
「"もし家族から私認知症かもしれない"と言われたら、なんと答えるか?"脳トレしたら?"とか言うのではなく、自分が認知症になったらどう言ってほしいのか、どう言えば相手は安心できるか考えることが重要だ」とか、
「認知症の方との接し方は、何もできないと決めつけて接するのではなく、先入観を捨てて、まずは認知症じゃない人と同じように接する、そして違和感があれば、やさしく単純な言葉で話しかけるのが良い。本当に必要なことだけをする、余計なことはしない」
とお話をされていました。
 

長田先生は、「認知症の進行抑制はどこまでできるのか」というタイトルで講演されました。
大変早口で、とても難しい話をされていたので、ほとんど理解できなかったのですが(^_^;)
「アルツハイマー型認知症の新薬アデュカヌマブはアミロイドβ(タウ蛋白)は減らせるが、認知機能はあまり改善しない」、「アリセプト、メマリーなどを使い続けたほうが効果がある」、
「すなわち、アデュカヌマブは満塁ホームランではなく、ヒットやバント(アリセプト、メマリーなど)を打ち続けるほうが良い」とお話しをされていました。

 

丹野さんは、「認知症の私から見える社会」というタイトルで講演されました。
39歳でアルツハイマー型認知症と診断された当事者の方ですが、
当事者として積極的に情報発信されている素晴らしい方です。
家族や支援者・介護者の方は、なんでもやってあげなきゃ!と思っている方が多いと思いますが、
丹野さんは、「私は支援者の方を、対等なパートナーだと思っている」
「認知症=何もできない人と一律に判断しないでほしい」
「当事者からできることを奪わないでほしい。自分で決めたい!決めさせてほしい!」
「支援者は、家族だけから話を聞かず、当事者本人から困りごとを聞いてほしい」
とお話しをされていました。
 

また丹野さんは、「失敗してもいいから成功体験で終わることを目指している」として、
具体的に、運転免許やめた当事者とやめたくない当事者で話し合う集いをやっており、何回か話し合いをして、自分で決めてもらうようにしている、というお話しをされていました。
高齢者の危険運転がよくニュースになっていますが、運転をやめたくない人から免許を奪っちゃうと、本人には嫌な感情が残るので、自分で決めてもらうことが大事という考え、だからです。

ネッツトヨタ仙台の元営業マンで、今もトヨタに勤めている丹野さんは、
「今は車線を外れたら自動で戻してくれる機能がついた車もあるから、トヨタの車をたくさん買ってくれれば、僕の給料も増えるし!」
という冗談(?)も話して、皆さんを笑顔にしていました(^_^)
 

本人セッションでは、認知症当事者の活動内容を紹介していました。
絵を描いたり詩を書くのが好きで、展覧会で入選した方、
写真を撮るのが好きで富士山のフォトブックを出して展覧会で最優秀賞、デイサービスでも撮影記録担当している方、
いつもギャグばっかり言うのに、今回はマジメな話ばかりしたので「つまんないよ!」と丹野さんにツッコまれた方、
絵画を描いて、iPhone2台使いこなして、youtube動画で紹介している方、
など、皆さん、できる範囲で、人生を楽しんでいられるということがよくわかりました。
 

今回参加させていただいて、かまくら認知症ネットワークは、なんて素晴らしいところなんだろうと思いました。