6月上旬の話です。
秋田の実家に特別給付金10万円の申請用紙が届きました。
※郵便物は川崎の私の家に転送しているので、正確には私の家に届きました。

国会答弁によると、今回の給付金申請書は、成年後見人がついている人の場合には、本人宛ではなく成年後見人宛に届けられるルールになっているそうです。

しかし秋田市は、秋田市に住民票がある世帯主に送付しているだけで、

成年後年人がついている・ついていないとか関係ない、ということがわかりました。


そもそも、その人に成年後見人がついているかどうかは、西暦2000年4月にスタートした現在の成年後見制度では、住民票はもちろん、戸籍にも載らない様になりました。

なので、役所は印鑑登録が抹消されているかを調べるか、後見人がついているか法務局に問い合わせればわかりますが、各自治体ではそんな手間がかかることをしているヒマはありません。

秋田市の世帯数は13万世帯は超えているので、いちいち調べていたら、いったい支給されるまで、いつまでかかることやら。。。
なので、国会答弁は各自治体の手間を考えずに答えたため、結果的には間違った答弁になりました。

申請書は、世帯主本人が申請書を記入することになっていますが、私の母親は認知症なので申請書を書くことはできません。

そこで私が代理で申請書を記入して提出することになるのですが、申請書に「代理できる人は、成年後見人、あるいは、財産管理の代理権を持っている保佐人または補助人」と、珍しく明記されていました。

昨年申請した「消費税増税に伴う年金生活者への給付金申請」では、代理人を限定することはなかったですし、口座番号を記入するだけでよく、本人確認書類や通帳のコピーは提出不要でしたし、「なんで今回はルールが変わったんだろう?」と思いました。

私が一番ビックリしたのは、「代理人が申請する場合は、振込先の口座番号は、代理人の口座番号を記入してください」と、書かれていたことでした。

すなわち、母親が受けとるべき10万円は、成年後見人である私に振り込みますよ、と言っています。

いやいや、そんなことをしたら私は業務上横領罪で捕まってしまいますから(笑)
※もし成年後見人でなければ、親族相盗例になるので、息子の私が横領しても捕まることはありません。

私は、秋田市の特別給付金の問い合わせ先に電話をかけて、申請書の説明に誤りがあると苦情を言いました。

しかし電話に出た担当者は、申請書に書かれてある説明をゆっくり読むだけで、私の言い分を理解してくれません。
担当者は「どうしても納得していただけない場合は、こちらで審議いたしますが、その場合は給付金の支給に時間がかかってしまいますがよろしいですか?」と言う始末です。

私は、「成年後見人は、本人の家計と自分の家計を完全に分けて管理しなければいけないんです。この申請書の説明通り、代理人の口座を記入したら、私は業務上横領罪で捕まってしまうんです。秋田市役所は私に犯罪をしろと言うんですか?」と詰め寄りました。

担当者はビックリしたのか、「失礼ですが、あなたは弁護士ですか?」と聞きました。
私は「弁護士ではなくただの素人です。本人の息子で、本人の成年後見人です」と答えました。

すると担当者は「しばらくお待ちください」と言って、上司?に確認していました。
戻ってきた担当者は、「代理人さんが申請する場合は、代理人さんの口座を記入してください」と同じ説明を繰り返しました。

再度苦情を言うと、担当者は「そこまで言うなら、本人に記入してもらってください」と言いました。
私は「成年後見人がついているということは、本人は判断能力がない人なんですよ? なので、本人が記入することはできません」と答えました。
※この担当者は、成年後見制度を理解していないことがわかりました。

担当者は「それでは代理人が申請するのではなく、本人の代わりに代筆して、本人が申請したことにしてもいいですよ」と勧めてきました。

この「本人のふりをして代筆する」は、役所ではよくある手法のひとつです。
高齢で判断能力が落ちてきた人の場合など、付き添いの家族が代筆して、役所は見て見ぬふりをしていることがよくあります。

私は「代筆してもいいけど、本人の口座名義を見れば、成年後見人がついていることがわかります。もし私が役所の人間なら、成年後見人がついているのに本人が申請してきたら、絶対不正受給だと思いますよ?」と答えました。


ここまで苦情を言っても秋田市役所の担当者は理解してくれなかったのですが、私はどの様に記入すれば良いか、正解をわかっていました。
担当者さんがちょっと可哀想だと思ったので、結局私はどのように記入するか教えてあげました。

私が記入した内容は、
・代理人(成年後見人)が申請をして、証明するものとして成年後見登記のコピーをつけます
・口座番号は、母親本人の口座番号を記入します
・口座名義は、「(母親の名前) 成年後見人 (私の名前)」となっていますので、そのまま記入します。

秋田市役所の担当者は、口座名義に私の名前が入っているので、「その口座は代理人さんの口座ですね!(=役所の説明通り)」と喜んでいましたが、「違います。本人の口座です。」とは、答えませんでした。

もう説明するのがめんどくさいったらありゃしない。。。

穂積秋田市長に苦情の手紙を書こうかな。。。(笑)

 

ちなみに、秋田市の特定給付金の問い合わせ電話番号は、0570で始まるナビダイヤルになっていて、20秒毎に10円かかります。
このナビダイヤルというNTTのサービスは、少し割高ですが、全国どこからかけても同じ電話料金になります。
しかし秋田市の窓口なので、通常は同じ市内からしか、かかってきません。

ナビダイヤルにして、市内通話より電話代を高くしているのは、苦情電話の時間をできるだけ少なくしようという意図があるのかもしれませんね。
考え過ぎかもしれませんが(笑)