11/12(火)に開催された、みずほ銀行の認知症サポーター養成講座に、講師(=認知症キャラバンメイト)として参加しました。

今回の時間は、窓口が終わってちょっと経過した16時~17時半です。

今回も私は、仕事を早退して参加しました。

 

受講された人は、その支店の銀行員さん20名。

窓口を担当している女性もいれば、営業担当と思われるスーツ着た男性もいます。

支店長、副支店長が簡単にお辞儀をして、最前列の、私の目の前の席に座りました。

 

※副支店長さんとは、事前打合せで名刺を交換(私はプライベートな名刺)しましたが、支店長はお辞儀だけでした。「私はみずほ銀行のプレミアム会員だぞ!」と言おうかと思いましたが、思いとどまりました(笑)

 

前回は横浜銀行さん、今回はみずほ銀行さんということで、金融機関の認サポが続きましたが、偶然でもないようです。

事前打合せで教えてもらったことによると、最近は毎日のように認知症と思われるお客様が窓口に来て、その対応にかなり時間がかかったり、説明してもなかなか理解してくれなかったりと、困っているそうです。

今後は、信用金庫さんや、JAバンクなどからも依頼がくるかもしれないなぁと思いました。

 

今回のメイトは3人で、横浜銀行さんの2回めと同じメンバーですので、同じ部分を同じ時間でいいよねー、となっています。。

包括は、その地域の包括が担当するので、今回は登戸包括でした。

 

講座用DVDの上映は、最後にしました。

なぜなら、DVDを見れる機械が窓口のフロアにあること、もしかしたらお客様がまだいらっしゃるかもしれない(窓口は3時に終わるが、終わる直前に相談に来たお客様が5時までいることがある)ということで、最後に回しました。

 

私の担当した部分は、「成年後見制度と日常生活自立支援事業について」、ですが、

前回アドリブで話した私の介護経験がよかったと、メイトの1人から言われたので、

もの盗られ妄想が出た母親に、どのように対応したかお話をしました。

さらに、通帳、ハンコなどをなくした時、家の中を探すには、こんなグッズがあるよと、キーファインダーを紹介しました。

 

実物を持参して、みなさんの目の前でスイッチを押して、光と音で場所がわかる、という実演までやりました。

※寝ている人はいませんでしたが、一瞬で目が覚める音量です。

 

また今回は、「認知症家族の気持ちを理解する」を、追加でお話ししました。

このページは、話そうと思えば、10分でも20分でも話せる、私の得意な部分です。

 

自分の親が認知症になると、最初は誰でも第1ステップ「とまどい」「否定」する気持ちになります。

この気持ちは他人でもなる場合があります。今まで仲良くしてきた友達の場合などです。

さらに、すすむと、第2ステップ「混乱」「怒り」「拒絶」になります。

"介護殺人"が起きるのはこの第2ステップです。

"こんなことが起こるのは、認知症という病気のせいなんだ"と理解してくれば、第3ステップ「割り切り」になります。

さらに、ゆとりを持つ気持ちになれれば、第4ステップ「受容」になります。

順調に、1⇒2⇒3⇒4と進む人もいれば、1から3の間を繰り返し往復して、徐々に4に近づいていく場合もあります。

 

私が初めてこの図を見た5年前は、第1ステップの状態でした。

知り合いが第2ステップになって、「ボケたんだよ!」と自分の親を叱っているシーンは何度も見ていましたし、私はなってはいけないと思いました。

そして、「第3ステップになる日は来るのだろうか?」と悲観的に考えていました。

 

でも、いくらがんばってみても認知症の症状はどんどん進みます。

そうなると、「認知症になったのは不幸なことだけど、なるようにしかならない。」「いくら悩んでも、しょうがない」、という考えが起きてきます。

 

最後に、こんな話をしました。

私は時々、「認知症の人に何をしてあげたらいいか?」と聞かれるんですが、
私は、「認知症の方にも、そうじゃない方と同じ様に接してください」と答えています。
専門用語でいえば、「ノーマライゼーション」と言います。
「ノーマライゼーション」は、成年後見制度の基本理念の1つです。

 

認知症の人は理解力のない人ではなく、脳に障害がある普通の人です。
認知症じゃない人と、例えば一緒に食事するときは、相手を思いやって、
相手が食べたい物を考えて、好きな食べ物を食べに行こうと誘ったりしませんか?
同じだと思います。
ほんの少しの思いやりで、「一緒に楽しむ。一緒に笑う」ことができるはずです。

私の話を聞いていた行員さんたちは、何かに気が付いたように、少し目を見開いて、にこっという表情をしていました。行員さんの頭の上に、!マークが見えた気がしました(笑)

 

認サポが終わったあと、みんなで回収したアンケートを拝見しました。

ほとんどの方が、「よく理解できた」に〇をつけていましたし、多くの方が「DVDがわかりやすかった」と記入していました。

また、「今までなんとなく認知症を理解していたが、今回理解がより深まった。ありがとうございました。」と記入していた方も、数名いました。

また、「祖母が認知症で対応に困っていた。これからはちゃんと対応できそうだ」と書いていた人もいました。

 

銀行の行員は、20代、30代の人がほとんどです。

なかなか自分の親が認知症になった姿を想像することは難しいかもしれませんが、

アンケートを拝見すると、「メイトになって良かったなぁ」と実感します。