私が所属している地元市民後見団体のお話です。

来年度も助成金を申請しようと私が動いていましたが、助成金担当者によく言われたことが、
「この事業をやる目的は何か、ハッキリさせてください」
でした。

ですが、先日、定例会で代表が繰り返し何度も言ったことは、
「何をやるか、誰がやるか」
でした。

なぜ、二人の言っていることが違うのでしょうか?
"立場の違い"もあると思いますが、根本的な違いは、

助成金担当者は「目的」、代表は「手段」だった、ということです。
 
助成金申請には「ルール」があります。
申請用紙にはフォーマットが決まっていて、何をどんな風に書くか、というのも、「ルール」の1つです。
助成金の申請用紙では、事業テーマの次に「事業目的」を書き、
次に「事業概要」として「手段」を、4W1H(=いつ、どこで、誰を対象に、何を、どうやって行うのか)を書きます。

わからない人には、記入例で詳しく説明されています。

今年度と同じテーマで申請する必要があり、継続性が必要なため、私は、今年度の申請書を確認しましたが、目的欄には、
「○○することで、○○を図っていく」
と書いてありました。
これは「手段および効果」であり、「目的」ではありません。

なぜそんなことになったのでしょう?
私の推測ですが、代表は、まず何をやるか決めて、後から目的を考えていたのでしょう。
「何をやるのか決めさえすれば、目的は適当にボヤかしておく=後でどうにでも説明できる」と考えていたのかもしれません。

あるいは、目的を説明するのが面倒くさくなり、手段だけ説明しようとしていたのかもしれません。


人に伝えて、人を動かすためには、「何をやるか?」(=手段)だけ伝えても動きません。
「何のためにやるのか?なぜやる必要があるのか?」(=目的)を伝える必要があります。

じゃぁ「目的と手段を伝えれば人は動くか?」と言われれば必ずしもそうとは限りませんが、目的と手段を伝えることは最低条件だと思います。
 
じゃあ、誰を、動かすか?
助成金担当者」もそうですが、その先には、「担当者の上司」がいますし、助成金申請を評価する「評議委員の先生たち」がいます。
評議委員の先生たち」を説得できなければ、助成金をいただくことはできません。
逆に言えば、「評議委員の先生たち」を説得できれば、助成金をいただくことが出来ます。
 
ですが、助成金をいただくことが、うちの団体の「目的」ではありません。
助成金をいただいて、団体の活動が、不特定かつ多数の方の利益になり、地域社会への効果、他団体へ影響(=インパクトとイノベーション)を起こせればいいな、と思っています。