9月16日(日)、私は「多摩区健康フェスタ&たまたま子育てまつり」に参加しました。

 

私が所属している地元成年後見団体が、「川崎市認知症ネットワーク」のメンバーでもあるので、このイベントに「川崎市認知症ネットワーク」として参加するためです。

今年も、川崎市認知症ネットワークは、認知症予防に効果的と言われている「脳トレ」を出展しました。

来場者に、間違い探し、漢字パズル、数独などのパズルを出題して解いてもらうのです。

今回は多摩区のイベントなので、私以外には、同じ多摩区で運営している、川崎市認知症コールセンター(相談窓口)「サポートほっと」のメンバーなどがいました。

 

開会式が始まり、実行委員会の委員長のあいさつや、多摩区長のあいさつなどがあり、区長が子供たちと一緒に風船を割るセレモニーがあり、始まりました。

 

昨年は台風接近の影響もあり、雨が降っていて、来場者数は少なかったですが、

今年は天候に恵まれて、来場者数は、とても多く、受付は混乱していたようです。

10時開始のスタンプラリーの台紙の配布が、11時には終了してしまったのです。

先着500人でしたが、多摩区役所の読みが悪かったのか?配布方法が変わったか?原因はよくわかりませんが、スタンプラリーに期待してやってきた来場者さんたちは、かわいそうでした。

 

他にもトラブルはありました。

我々スタッフの休憩所として、6階会議室が用意されていましたが、そこへ行くエレベーターが貨物用エレベーター1台しかなく、それを清掃業者がほぼ占有していたので、我々スタッフは6階に行く手段がなかったのです。

清掃業者さんもびっくりしたでしょうね。休日で区役所はほとんど人はいないと思っていたのに、イベントで何千人もいるのですから・・・。

 

多摩区役所では、土日は閉庁していますので、節電のため土日は一般用エレベーターは使えません。

2階~5階には多摩市民館があるので土日も行くことができますが、6階のボタンを押しても、「この階には降りれません」と言われ、ランプがつかないのです。

しかし昨年までは、健康フェスタの日は一般用エレベーターを動かしてくれていました。

今年は事前に何の説明もなく、6階へ行く手段が貨物用エレベーターだけに変更されていました。

階段で行こうとしたスタッフもいたのですが、6階に行っても階段室から中に入る扉が、カギかかっていて、入れなかったそうです。

お昼頃、スタッフがお昼ご飯を食べるために休憩する際は、貨物用エレベーターは混雑していました。

 

役所は、担当者が1~2年ごとに変わります。

仕事にやっと慣れてきたときには、異動になってしまうのです。

「昨年はこんなことがあったので、来年はこうしてほしい」という引継ぎがきちんと行われていないと、「昨年はしてくれたのに、今年はしてくれないの?」ということが起きます。

 

何かをするときには、必ず、その何かをすることになった理由があります。

引き継ぐときに、「何かをする」だけ引き継いでも意味がありません。

「こういう理由があるから、何かをする」という様に、理由も含めて引き継ぐ必要があります。

 

今度、今回の「反省会(ふりかえり)」の会議が行われます。

今年のトラブルを来年に生かしてほしいと、ふりかえりをしても、担当者自身が異動になり、担当が変わるたびに対応がだんだん悪くなっていくでは、ふりかえりをしても、意味がありません。

今年のトラブルを来年に生かして、だんだん良くなっていってほしいなぁ、と思いました。

 

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この健康フェスタは、子育てまつりと同時開催しているので、子供や孫が出かけるついでに、一緒に高齢者も出かけるきっかけになります。

同時開催するようになって、相乗効果で来場者が年々増えている様です。

脳トレをやっていく人は高齢者が多いですが、皆さん認知症に不安を感じている問題意識の強い方ばかりです。

 

私が対応した人の中に、女性の方だったのですが、「問題を持って帰り主人にやらせたい」という方がいました。

話を聞いてみると、ご主人は足腰が悪く、「要支援1」の認定をもらったけれど、頭の方はまだしっかりしており、年を取ると誰でもそうなると言い、何も対策はしていないようでした。

私の父親もそうでしたので、その方とは30分以上話をしました。

 

ラッキーなことに、息子さんが資格を取り、仕事を継いでくれているので、大丈夫な様ですが、私は、「エンディングノートを書いて、それを家族に伝えてほしい」、「入院や施設に入るときに備えて、今のうち定期預金は解約して、普通預金にしておくと良い」などのアドバイスをさせていただきました。

 

「エンディングノート」は、「遺言書」とは違って法的効力はありませんが、今こういう財産があるけど、将来は財産は○○さんにあげたい、という遺言書と同じような「想い」を書くことができます。

書いた内容は、状況に応じて、何度書き換えても良いのです。

そして、書くだけでは意味がありません。伝えなければいけないのです。

書いただけでノートをどこかにしまってあるのでしたら、いざというときその「想い」が実行されません。

そばにいる家族に、「いざというとき、ここにしまってあるから読んでね」、と伝える必要があります。

 

最近のエンディングノートには、「延命治療をするかどうか」についても記載するところがあります。

たとえば、もし口から物が食べれなくなったらどうするか?

認知症の重度になってくると、口から飲み込もうとしても、脳が委縮しているため飲むことができず、まちがって肺に入ってしまい、「誤えん性肺炎」になってしまう場合があります。

医者は、おなかに穴をあけてそこから栄養を取る「胃ろう」を勧めてきますが、それを「延命治療」だと捉えるなら、「そんなことはしてほしくない」と考える人がいます。

本人は「延命治療してほしくない」と考えていても、意識不明で意思を表明できないと、家族の多くは、本人には長く生きていてほしいと願いますので、医者の言うとおり、胃ろうを承諾してしまいます。

本人の思っていることとは違った方向に、人生を進んでしまう可能性があるのです。

 

また、「普通預金」であれば、家族がキャッシュカードの暗証番号知っていれば、お金を下ろすことができますが、「定期預金」は、本人でないと解約することができません。

入院や施設に入居するとき、ある程度まとまったお金が必要となることがあるかもしれません。

そんなとき、本人が認知症で判断能力が低下していたら、家族が金融機関に行っても、本人の定期預金は解約することはできません。

銀行員からは、「成年後見人をたててください」と言われてしまいます。

成年後見制度は、判断能力が低下した人の財産や人権を守る制度ですが、使わないで済むのでしたら、使わない方が良いです。

その1つの方法として、定期預金は元気なうちに解約して普通預金に移しておくと良いのです。

 

その女性の方は、私の説明を他の人からも聞いていたと思われ、すぐ理解してくれました。

一般的に、女性は、井戸端会議をして、女性同士よく話をしている方が多いのですが、男性はなかなかそういうことはできません。

会社を定年退職した後は、家でゴロゴロしている男性が多いのではないでしょうか。

 

認知症のリスクを減らすには、「頭を使う」、「運動する」、「人の役に立つことをする」と良いと言われています。

その女性の方は、旦那さんには、どれかをやってほしいと願っているのです。

 

その女性の方もご主人も、最期まで良い人生を歩んでほしいなぁ、と私は願っています。

 

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今回スタッフには、ボールペンや、クリアファイル、名札などが配布されましたが、

今年のクリアファイルは、「マンガで分かる地域包括ケア」でした。

 

「地域包括ケアシステム(地ケア)」は、少子高齢化社会を生き抜くための政策ですが、地域住民まで浸透しているとは言い切れません。

川崎市も地ケアを広めていこうとしているのかな・・と感じました。