たまには、成年後見制度のお話をします。

こんな記事がありました。

大山のぶ代、亡き夫の親族とマネジャーが相続巡り不穏な空気~NEWSポストセブン

 

大山のぶ代さんが認知症になり、旦那の砂川啓介さんが介護をしていましたが、

砂川啓介さんは”がん”になってしまい、先に亡くなってしまいました。

その後、どうやって遺産分割をしたのか不明ですが、

大山のぶ代さんは、老人ホームに入居しており、

大山のぶ代さんの元マネージャーが、身の回りの世話をしており、”お世話代”が支払われており、

砂川啓介さんの親族が成年後見人として、大山のぶ代さんの財産管理をしているというニュースです。

 

私が気になったのは、記事最後にある弁護士のコメントです。

「大山さんとマネジャーの契約ですから、親族は解除できません。しかし、成年後見人ならば、その契約を解除することができます。また、大山さんに関しても本人や親族の意思に関係なく、成年後見人が介護施設の費用が高いと判断すれば、契約を解除し、別の施設に入所させることができます」(伊倉弁護士)

”法律の専門家”である弁護士なのに、実はこのコメント、間違いがあります。

この間違いが、”成年後見制度の闇”です。

 

私の様な素人が、”法律の専門家”に誤りを指摘するのは、大変おこがましいのですが、

「本人の意思に関係なく、契約を解除してはいけません」

 

民法第858条には、こう書いてあります。

成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。

成年後見人は、本人の意思を尊重しなければいけないのです。
ただし、本人は、”判断能力が常にない人”と家庭裁判所に認定された人です。
判断能力がない人なので、成年後見人は判断して行動することができますが、
本人の判断は、常に間違っているとは限りません。正しいときもあるのです。
 
明らかに本人に大きな不利益がある場合を除いて、本人の意思を尊重して、本人が今まで通り変わりなく暮らしていくサポートをしていくのが、成年後見人なのです。
 
大山のぶ代さんの元マネージャーは、大山のぶ代さんや砂川啓介さんから信頼されており、身の回りの世話をする契約を結んでいたのでしょう。
本人が認知症になったからといって本人の意思とは関係なく、勝手に解除してはいけないのです。