少し前の話になりますが、年末年始に実家に帰った際、施設にいる母親に会いに行きました。

扉をコンコンとすると、知っている顔が来たかのように、表情が和らぎます。

しかし、「だ~れだっ?」と聞くと、「誰でしょうねー」と言って、ごまかす母親。

たぶん、私の名前を忘れているのでしょう。

母親は施設の中で、ふきんたたみの”仕事”をしているのですが、

ときどき、たたんだふきんを自分の部屋に持ち帰ってしまうことがあるのだとか。。。

そこで今回僕は「ハンドタオル」を大量に持ち込みました。

それで「好きなやつ、持っていっていいよー」と言い、母親に選ばせました。

母親は遠慮して、「これ」と言って、一番手前のを一枚だけ手に取りました。

僕は「じゃ名前書いとくねー」と言いながら、母親の名前をマジックで書いて、母親に渡しました。

タンスの上に卓上カレンダーをみつけると、「今日何日だっけ?」と聞いてみます。

母親は「わかんね、新聞来なくなったもの」と答えます。

見当識障害のある母親は、今日何日か思い出せません。いつも毎日配達される新聞を見て、今日何日か調べていました。施設に入居してからも新聞は配達されていたんですが、一度トイレを詰まらせる事件を起こして以来、新聞を取ることは辞めちゃいました。

そこで私たちが考えたことは、日付入りの置き時計を使ってもらうでした。

でも母親は、電気代がもったいないと思うのか、すぐ電池を外してしまうクセ?があります。

先日のときも、置き時計の電池は外されていました。私はそばにあった電池をいれて、日付・時刻を合わせました。

私「ここに今日の日付、表示されているから、もうだいじょうぶだよ」

母親「うん、ありがとう」

母親はきっとまたすぐ電池を外してしまうでしょう。そのときはまた電池を入れればいいだけのことです。

次は、持っていったタブレットPCを使って、川崎の自宅と”テレビ電話”をしました。

前回10月の際には、義兄から借りた古いWifiルータだったため、スピードが出ず、

テレビ電話している最中に、画面が固まることが何度もありました。

今回は、そこそこスピードが出るWifiルータをレンタルしました。(6泊7日で3000円ぐらい)

今回は、画面が固まることはなく、きれいな画面で、テレビ電話ができました。

 母親「大きくなったねー」

 僕「(いま何歳ってきいてごらん)」←ささやき女将のように横から声を出すw

 母親「いま何歳?」

 孫「XX才だよ。春からはXX年生」  

母親は生きるのが精いっぱいなのか、みずから質問しようとはしません。

2か月ぶりに見る孫の顔ですが、以前の記憶がない母親にとっては、1年ぶり、いやもっと前かな?という感じになっていて、とても懐かしく嬉しそうに笑います。

母親の嬉しそうな顔を見ることができて、私はとても満足しました。

しばらくするとスタッフの人が「○○さん、体重量りに行きましょう。今日体重量る日だもの」

と言って、部屋から連れ出そうとします。

ちょっと躊躇している母親に、私は「私も行くから、一緒に行こう」と声を掛けて安心させます。

途中、私「量るのは体重だけなんですか?身長は測らないんですか?」と聞くと、

スタッフ「(小声で)実はお風呂なんです」と教えてくれました。

実は、母親には入浴拒否する傾向があります。ひどいときは、月1回ぐらいしか入らない時も。

でも最近はなんとかお風呂に入ってくれるようになったと聞いていたので、どんな魔法を使ったのか?不思議でなりませんでした。

お風呂場の前で別れましたが、その後「体重量るから、洋服脱いでくださいな」といい、服を脱がせて、その後「ついでにお風呂も入っていきましょう」と誘い、お風呂に入れていました。

魔法のタネを目の前で見せてもらった気分になりました(^_^)