聞こえてくるピアノの音は何だろう?と思い、部屋の外に出てみると、玄関ホールにあるグランドピアノを弾いているスタッフがいました。

母親は黙ってテーブルの上にある歌詞カードを取り適当な所に座ります。他の利用者さんもドンドン集まってきます。次の曲がかかると、みんなで歌い出しました。
ここの老人ホームでは月に1度やっているみたいです。

ピアノの間は利用者さん皆夢中になっているので部屋を掃除するチャンスです。裏でスタッフが今のうちに!という感じで動いていました。

その間に僕も相談員さんと話をしました。お風呂拒否は改善されつつありますが、問題になっているのが母親が採血やエコー検査を拒否したことです。6月末に血小板減少と脾臓腫瘍?が見つかり、その後の検査を嫌がっている、どうも病院をすごく嫌っているようだと…。

確かに数年前、介護認定を受けるために母を病院に連れていこうとした時も、「どこも悪いところない! 行く必要なんてない!」と言い、なかなか行かなかったので、「後期高齢者は年1回健康診断を受けなきゃいけないんだよ」とウソをつき、無理矢理連れていったことがありました。

採血やエコー検査は本人が嫌だと言っているんだから、気がついた時は手遅れになってもしょうがないです。ただし、本人が痛いと言ったり、痛そうにしていたら、治療を受けさせる方針にしてもらいました。

治療して医者が家族を呼んでくださいと言ったり、母親が入院した時には、僕たち兄弟のどちらかが駆けつけることにしました。