父に、認知症と言うのを隠しているのにはいくつか理由があります。

1つ目は、前回の日記でも書いたように、父はアルツハイマー型認知症とはどんな病気か知識があるので、冷静に受け止めることはできるでしょう。
でも進行を遅らせることはできても脳の萎縮は元には戻らない、不治の病と言うことも知っています。

ずいぶん昔、父と話したことがあったんですが、父はガン患者に対して告知はしない派です。昔は今と違ってガンは不治の病でした。正直に言ってショックを与えるよりも隠して、生きる希望持たせて治療に専念してもらいたいんでしょうね。

2つめはプライドの高さです。
医師なので、「先生」といつも呼ばれていました。病気には人一倍気を遣い、少しでもおかしいところがあれば自分で治していました。それなりの地位と責任を持った人が、認知症にかかり、今では精神科にかかり、施設にいる…と言う現実はなかなか素直に受け入れられないでしょう。

3つめは、母親の両親、姉、が相次いで、認知症にかかったあと、続けて亡くなっています。

私は時々叔母さんの家に行って、進行状況を見ていたので、次どうなるかわかるんです
父親も産業医をしていたし、健康診断もしていたので、認知症にかかればどうなるか私以上に詳しく知っているはずです。
頭のいい父は、言わなくても自分の置かれている状況見ればわかってくれるでしょう。

人それぞれ状況は違うので、言う言わないは判断が異なるとは思います。