先生がくれたカセットテープには
オリジナルラブのアルバムが2つとBASIAという外国の女性のアルバムや先生の好きを集めたものが入っていた。
「好きな曲を聴いてお酒を飲んだりしてる」
なんて書いてあって、
「カッコつけてるのかな」とか思ったりもしたけれど、テープを聴くと、高校生の私にもホワーンと酔いそうになるような世界観や大人の色気の曲などオシャレで素敵な曲ばかりだった。

それから何度か手紙を送っては返事が返ってきて、いつしか学校帰りには家のポストを見るという習慣になっていた。
「私すごく好きな人がいて、その人はとても年上で、彼女もいて、私子供扱いされちゃってるんですよー
告白した方がいいですかねぇ?」
なんて書いていたらしい(後日談)
とか。
そして4月の後半に、ドライブに行こうということになって、卒業後初めて先生と会うことができることになる。
5月のゴールデンウィークに、ドライブで伊豆大瀬崎まで行くことに。そもそも高校生が、ロードスターのオープンに乗ってドライブなんて、親や同級生に言えないし、大人の階段を3段飛ばしで駆け上がって行くくらいのスピード。
子供に見られないように、大人っぽく行かなければ、そんなことを思っていた。
念願の大好きな先生に会えることと、塾以外のプライベートの先生を知れる日になるんだーなんて思うことで大興奮だった。30年経った今でも忘れてないその感覚。
もう、好きな人とドライブするなんて夢のまた夢。
その夢が叶ったのだ。
先生がオリジナルラブのカセットテープを送ってくれていたことで、車の中の話題は音楽のことファッションのことで楽しかった。この日ためにいろいろな雑誌を見て音楽の知識や最近の流行りをチェックして話題が尽きないように準備しておいた。
とても楽しかった半面、彼女があるというのに、こんな素敵な人が私なんかと出かけていいのかな、とかわざわざありがたいけれど申し訳ないな、などと少しネガティブな気持ちになってしまったことも覚えている。
なんていい子♡