これまでに


「もうだめだ」


と生きることを諦めようと覚悟したことが何度かある


でも


ぎりぎりの


ギリギリのところでいつも見えない存在からの奇跡の手が差し伸べられ


今ここに生きている私がいる



最初は


狭い視点からしか物事を考えられない家族からの束縛に


自分が思うように生きられないことへの絶望から


「生きていても意味がない」 と


最後に映画を観てこの世からさよならするつもりでいた


すると


たまたま観ただけのその映画のストーリーの中で


自分がバカで何の役にもたてないことに絶望している主人公に


脇役の男が主人公に言った台詞をきいて


私はふたたび生きる力を取り戻した



その瞬間から


それまで見る物全てがグレーに写っていた視界が


まるでスポットライトが当たったかのように目に映るものが輝いて見え


生命力溢れる光の世界に存在する全てのものから祝福されてるようで


しばらくは何を見ても何をきいてもこころが震え 涙が止まらなかった



でも数日で


その光あふれる世界は見えなくなり普段どおりの日常に戻ってしまった


その直後


家族を亡くし途方にくれ 自分を見失い


人生をさまよう長い長い旅がはじまったが


もしあの光あふれる世界を見せられていなければ


今の私はいなかったかもしれない



何度かの つらい時期を乗り越えるたび


あの時に体験した


光があふれ全てに祝福された世界を



もう一度体験できないか と 淡い期待をいだきつつ


今日まで生きてきた



そして今朝


いつもの道を自転車で通勤している時


目に見える風景


肌に触れる空気


流れる風


通り過ぎ行く風景


濃緑で生い茂る木々


はるか高くにまで抜ける青空


漂う雲


街ゆく人たち



目に映る全ての存在がこの世界を創っているということ


その中に私が存在していること


全てが一つなんだと


はっ!


と理会したその瞬間


あの生命力溢れ光りかがやく世界の中に私はいた


いついかなるどんな時にも


自分が気がつかなかっただけで


あの世界はずっとここにあった



毎日が奇跡



今悲しくても


今つらくて絶望していても


今ひとりぼっちで死にたくても


もちろん


たのしくてワクワクしている時も


あなたも 私も


森羅万象


宇宙に存在するもの全てが


今ここにある奇跡だったんだね





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