土曜日はあるご縁でお誘い頂いた講演会に行ってきました。

「誘われたら断らない」が基本方針の私ですが(笑)、今回は、あの杉の子保育園の副園長先生のお話が聞けるとのこと。

夫婦でとても楽しみにしていました。

私の会社の有志の研究会が主催者の一部、ということもあり、休日ながらオフィスへ。

オフィスには託児ルームが併設されているのですが、娘は初めて保育園以外の託児を経験しました。

2時間の講演を終え、迎えに行ったときは、楽しそうに遊んでおり、「一緒に遊ぶ?」とおもちゃも差し出してくれました。
補食として持参したおにぎり二つも完食したそうです。
さすが保育園生(笑)

さて、当日は杉の子保育園の副園長、木本先生による講演が1時間、質疑が1時間という構成でした。

木本先生が恐らく自身に問いかけ続けているのは、
「それは子どもにとっていい保育か?」ということ。
そしてそれを確認するのは「子どもの目の輝き」だと仰っていました。

その課題意識を持つきっかけになったのは、行事の「練習」をさせられている園児たちの「楽しくなさそうな」=「先生ばかりが必死の」姿を見たからだそうです。

私は「楽しくないな」と、当事者として思っていたクチでした。
大人になってそう気づけるというのはすごいなぁ、と。

ああ、こういう保育士さんに悪い方はいないと、僭越ながら思いつつお話を伺いました。

先生のお人柄もとてもフランクでしたよニコニコ

杉の子保育園は、運動遊びで有名な保育園ですが、先生は「運動させなければいけない」というお話は一切されませんでした。

この業界、あるいは子育てしているとよく見かける、スキャモンの図を示しながら、発達に応じた働きかけをすることが大切だと仰っていました。

娘が通っていた赤ちゃん教室も全く同じ考えだったので、ご実践内容には深く頷けるものがありました。

杉の子保育園では、「運動『遊び』」をたくさん取り入れています。

これはあくまで遊びであるので、楽しいとか、もっとやってみたいとか、子ども自身が思えればそれでよく、できたってできなくたっていいのです。

ただ、その子が「やろう」と思ったときに、スタートラインに立てるようにしておかなければいけないだけだ、と。

先生は投球を例にお話くださいました。
男性って、野球のボールを投げるフォーム、野球をやっていなくてもそこそこ決まっていますよね。
でも、女性はおかしな投げ方になってしまう。
それって、発達させるべき時期に発達させるべき神経を鍛えておかないから、だということです。

右利きの人が大人になって、左手で箸が使えないのもたぶん同じ理屈ですね。

また、ピークをいつに持ってくるか、とも仰っていました。
スポーツ選手の寿命がのびていることを考えると、5歳でできなくたっていいんだと。

遊びの観点として大切にされているのは、
旗時間の意識を取り入れること
→鬼ごっこに制限時間を設けるなど。幼少連携を見据えると、この部分は大切。
旗仲間づくりを重視すること
→「大人がいないとだめ」な集団ではなく、「子どもたちで高めあえる集団」になるために。また、コミュニケーション力もつけられる。
旗遊びが偏らないように記録をつけること
旗自分たちで考え、工夫するのを妨げない関わり方(余地を残しておく)
→遊びだから教えない
旗礼儀はしっかりと伝える
→挨拶と返事
などでした。

共通しているのは「子どもの力を信じて、待つ」ということ。

そして「遊び」という視点だけはぶれないようにするということ。
遊びだから強制もしないし、できるように練習させたりもしない。

先生は保育系の学部のご出身ではなく、基礎になっているのはスポーツのコーチングの理論でした。
もちろん、保育の分野も当然研究なさっているでしょうが、そこだけではないというのが実践を支える部分の強みかと感じました。
これは、保育分野出身だと持ちにくい発想かもしれません。

分野に限らず、専門性を有するということは、他の分野から離れていくことがあり、ともすると他分野の素晴らしいところを認めない、あるいは、優れたところに気づかないことになりがちなんだろうなぁと、自身の仕事を振り返ってみても思います。

また、いろいろな試行錯誤を重ねながら、保育園の「文化」が育ってきたからこその実践であり、それはやはり「文化」なので、他園が真似しようとしてもできないものなのだろうと思います。
(それは、やるのが無意味ということではなくて、自園の文化を作る、という気概でやらないとできないだろう、ということ)
企業文化と似ていますね。

20年かけて改革してこられたその思いが存分に伝わるあたたかい講演会でした。

「うちの保育園はオレンジ色でいこう」と職員の皆様にお話をされているのだそうですニコニコ

オレンジ色の中で育つ子どもは幸せですね。

わが家は極力手助けしていないつもりですが、お話を聞いていて、それでもまだたくさん、自分で考え、工夫する余地をなくさせてしまっている部分があるなぁと感じました。

それは保育園に行っても思うことで、
「あ、先生はここでは手は出さないんだ」など、はっとすることがよくあるのです。

娘の力を信じて、待つこと。

こんなシンプルなことですが、親の姿勢によって、子どもの成長は大きく変わるだろうな、と改めて感じました。

木本先生、とても素敵なお話をありがとうございました。

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