入院にあたり、初診時にもらった病院からの書類を見直していて見つけた、臍帯血の資料。
その時はとくに目に留まらなかったけれど、いざ出産が目前に迫ると、
現実味を持って目に飛び込んできた「臍帯血」の文字。
興味を持って資料を読み込んだ上で調べてみると、臍帯血には、
公的な臍帯血バンクと私的臍帯血バンクがあるということを知る。
公的な臍帯血バンクは献血のようなもので、自分から採取した臍帯血が必要な誰かのために使われる。
でも提供者は子や自分のために使うことができない(自分の臍帯血を利用指定できない)。
私的な臍帯血バンクは、それが可能。
いずれも出産する病産院が臍帯血バンクと連携を取っていないとそれは叶わず、
私の出産予定の病院は私的な臍帯血バンクとの連携があるそう。
私的な臍帯血バンクを利用するには、結構な費用がかかる。
まず、採血そのものの費用と臍帯血を保存する費用。
ただし、採血したものの、細胞数が十分な量を満たさない場合は保存ができないので、
その際は料金は採血の分のみとなる。
ちなみに、私の出産した病院ではこの費用は病院持ち。「プレゼント」だそうだ。
結構アグレッシブに病院経営している様子なので、実績を増やしたいのだと思う。
臍帯血を保管する費用は一定年数ごとに更新するしくみ。これが、高い。
また、臍帯血の利用はいまのところ未知数な部分が多く、これから研究が進んでいく段階のものがほとんど。
ここまでが調べて分かった事実。
病院と提携している臍帯血バンクの会社に早速資料請求メール。
営業から折り返し即TELがあり、対応は迅速。
内容的にもナイーブなもののため、営業の説明も丁寧かつ分かりやすく、
まったく無理強いする気配はなし。
会社の資料、基本情報、口コミなども見てみたが、まぁ信用して大丈夫であろう会社という印象を受ける。
さて、どう判断するか。
私の気持ちとしては「やってみたいが費用が高い。でも、保険と思えばそこまで高くはないか」という感じ。
まず夫に相談。意外にも色よい返事。同じく「保険と思えばいいじゃん」とのこと。
次に母に相談。公的バンクの存在も熟知しており、献血マニアだったこともあり考え方には大賛成。
私的バンクでも有効に利用できて、費用がまかなえるなら、ぜひやったらいい、と。
最後に海外に住む医療関係の友人に相談。海外の方が私的バンクへの登録が多そうだということと、ミックスの子どものバンク登録が多そう、だと思い聞いてみる。
彼女の夫は日本人ではなく(国籍的は彼女も日本人ではないが)、私より半年先に母になっていることもあり。
彼女自身が勤務していた病院の状況や、彼女の母も医療関係者なのでその話もあわせつつ、親身に相談に乗ってくれる。彼女自身は臍帯血はしていないが、できるなら前向きに考えたと思う、とのこと。
やらない理由がなくなった。
早速、営業に連絡を取り、入院2日ほど前に諸々の手配完了。
あとは、採血するのみ、と相成った。
手術日当日、以前の記事で少し登場した「カイザー不在王」の院長先生が登場。
採血してくれ、営業に無事手渡される。
営業からは出産翌日に電話があり、きちんと受けとった旨、報告もある。
あとは、必要な細胞数が取れてさえいれば。
私たち夫婦としては、娘が二十歳になるまでは費用をこちらで負担し、成人したらプレゼントしようと思っていた。
プレゼントしたものを引き続き保管するのであれば、そうするし、
もういらない、と判断するのであれば、やめてしまえばよい、と。
引き続き保管したいが、お金がない(きっと、まだ大学生や社会人になっていたとしてもぺーぺーだろうから)ということであれば、自分で払えるまで費用は貸してあげてもよい、と考えていた。
20年かけて毎年の娘の誕生日にこの話をして、成人の暁に、一つの大人の判断として娘の考えを尊重しながら受け入れる、
なんていう壮大な計画を立てていた。
ところが。
数日後、営業から電話があり、誠に残念ながら必要な細胞数が確保できなかったため保管ができない旨、連絡があった。
あぁ残念。
落胆の色を隠せないが、忙しい中迅速に対応してくれたことを深謝し、書類の返却をお願いして電話を切った。
臍帯血は叶わなかったが、臍帯血を知り、臍帯血について考えたよい経験にはなった。
次に出産することがあったら、公的バンクに加盟しているかどうかを病産院選択のポイントにしてもよいなと思っている。
(理念としては公的バンクの方に共感しているので)
どの病院でもできるわけじゃないからだろうけど、出産にまつわる講座や母親学級、病産院ではまったく出てこなかった話。
でも、もう少しこの手の話が共有されていてもいいのではないか、と思う。
お花畑だった割りに、この手のことは考えていたのだ。
壮大な計画は計画のまま終わっちゃったけど。