帝王切開の場合は、予定日よりも早めに産むことになります、と先生に言われ、

会社の育休制度の都合上、予定日より10日超過で産まれてくれれば、

育休半年プラスなんだけどなぁ、などと思いつつ、

先生、そういうのは無理ですか?と聞いてみるも、無理ですね、と。

だよなーと納得し、じゃあお誕生日いつにしましょうか、と話が進む。


あぁ、帝王切開って、誕生日が決まっちゃうってことかぁと、少しずつ実感。


手術を執刀できるのは院長か弟君で、私は弟君が検診担当のため、

弟先生の手術可能日がお誕生日に決定。


この検診は旦那にも付き添ってもらい、旦那が立ち会える平日を選ぶ。

そのときはまったく意識していなかったし気も回らなかったのだけれど、

実は誕生日は挙式をした日だった。

何たる偶然。なんというか、産まれるべくして私たちのところに来てくれたのねぇという感じを禁じえない。


手術前日に入院し、のんきに記念写真などを撮る。

今思えばこれもお花畑妊婦の一面かもしれないが、のちのちアルバムを作る際にはとてもいい写真となった。


絶食しながら手術日当日。

午前中だった予定が、緊急カイザーにて午後遅めの時間にまわされることに。

(この緊急カイザーの妊婦さんとはその後の入院生活を共にすることになる)

と、思いきや、やっぱりいけそうなので、午後イチに、とのこと。


予定帝王切開で入院中の妊婦って、実は一番扱いやすいのかもしれない、

などと思いながらストレッチャーへ。


手術担当の看護師Hさん(以前からよくしてくれてちょっと気が合うと思っていた方)に、

ストレッチャーの記念写真取る人もいるのよ、

と言われ、調子に乗ってここでも1枚。


手術は初めてなので、緊張しないかといえば嘘にはなるが、

緊張したところで何かが変わるわけでもないと思いなおし、

それよりも、あとちょっとで娘に会えるのだ!!という嬉しさが頭の中を駆け巡り、

ちょっとテンションが上りすぎてしまう。


採血も注射も大嫌いで、針が刺さっていると思うだけで吐き気がしてしまうので、

硬膜外麻酔なんて耐えられるのだろうか、と手術室に入りにわかに不安に。


でもそんな不安をよそに、麻酔もまったく痛くなく、また、ききやすい体質らしく、

あっという間に下半身の感覚が奪われる。


頼んだわけではないが、手術室にはドボルザークの交響曲(家路だった)が流れ、

実は大好きな曲なので、心の中で演奏にあわせて口ずさむ。


いろいろ進む中、Hさんに「あら、いいおっぱいだわ」とほめられ、

妊娠中に痛くても毎日乳首の手入れをしてきてよかった、などと思う。


そして、いよいよ開腹。

実母によると、お腹をさわられている感覚はあった、ということだったけれど、

私はその間隔もほとんどない。

ただ、子宮が切開された後に、赤ちゃんを引っ張り出そうとしている感じはあった。

(先生は今、何が進行しているのかを説明してくれていたので、これが分かった)


あっという間に娘は取り出され、私の元へ。


白くて、小さくて、あたたかくて、大きな声で泣いている娘。

やっと会えたねぇ、と嬉しくて嬉しくて涙がこぼれた。

4Dエコーで見ていたので、大体の顔の感じは想像ついていたけれど、

あぁ、やっぱりこういう顔なのね、なんてかわいいんだろう、と。

そして、前々から考えていた名前、やっぱりぴったりね、と思った。


見ると、開腹中は心配そうな顔をしていた夫の顔が感動に満ちている。

立ち会ってもらってよかったなぁ、と心底思った。


その後、娘は助産師さんによって洗われたり計測されたりに連れて行かれ。

私は全身麻酔にて縫合へ。


臍帯血をお願いしていたので、その処置も。


ちなみに、臍帯血は院長先生しかできないとのことで、

手術室中の人が院長に電話を掛けまくるも不在。

「院長はカイザー不在王だからね」などと聞こえてくる。おいおい。

みんながやきもきしたころ、院長は颯爽とあわられ、おいしいところだけを持って行ったのでした。

「たくさん採れましたよ」とか言いながら。


私はといえば、全身麻酔のためまぶたが落ちてしまい。

でも、不思議と耳だけは聞こえる。

「耳が聞こえるよ」ということをアピールしたく、まぶたや指先などを動かそうと試みる。

「耳、聞こえる?」とHさんの声。

「はい」の意味で動かす私。

「じゃぁ、これから病室戻るね」と声をかけてくれ、私はまたストレッチャーに乗せられ、

病室へと戻っていったのでした。


さて、この夜、感じたことのない激痛が私を襲う・・・

それは、また次回。