小さな恋 第6回 | がらくた通り3丁目

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人にとってはまるで無価値。それも一個人の形成には不可欠。自我の源泉をたどる旅。おつきあい頂けたら幸いです。

一徹

僕にはひとつの
大きなコンプレックスがありました。
それは努力ではどうにもならないこと。

誕生日です。

僕は1月4日生まれ。
早生まれでしかも正月。

僕は友達と同じ学年なのに
いつまでたっても友達よりも年下。

しかも正月中なので
お祝いも正月気分のめでたさに
隠されてしまう。

友達の誕生会には出席するも
僕の誕生会は正月なのだから
友達の家に迷惑もかかるからと
親に自粛を促される。

巨人の星の飛雄馬は
人間技とは思えない剛速球を投げる投手。
しかし体も小さく体重も軽いため
いくら速い球を投げても当てさえすれば
遠くまで飛んでしまう軽い球質という弱点が露呈。

体質だけはいくら努力しても変えようがない。

しかし速球投手として命運が尽きるも
努力と根性のすえ
自分の軽い球質が武器となる
大リーグボールを発明!

これに対し一徹はこうコメント。

「自分の弱点を長所に変えるほど
人生で美しいことはない」

これだ!
僕も飛雄馬を見習って
自分のコンプレックスをどうにかしよう!

どうにもならない誕生日をなんとかするべく
僕は努力という道は選ばず
大きなウソをついてしまいました。

日差しも眩しい7月の初旬。

クラスのみんなに
「今日僕の誕生日だから遊びに来て~」

〈つづく〉