レアル、そしてバルサと12月に2強との戦いを控えていたアトレティコ。レアルに敗北するまで、首位バルサを勝ち点差3で追っていた訳だが、この試合に敗れれば実質バルサの独走状態となる。何としてでもアトレティコに勝ってもらいたいという一戦。

☆30分の希望

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試合前、シメオネ監督は「我々は現実的な戦い方をする」と語っていた。その言葉通り、アトレティコは守備を固めるところから試合を開始する。

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バルサと対戦する際、ほとんどのチームがサイドの守備を捨てて中を固める策を取る。中を自由にするとメッシやイニエスタがうるさいので、相手の攻撃をサイドに逃がそうという訳だ。

バルサはサイドからの単純なセンタリングで得点を奪えるチームではないので、中さえ固めれば何とかなると考える事が出来る。

前回のレアル戦の際にも書いたが、アトレティコは非常に守備時の離散と集散が上手い。簡単に言えば、陣形を上手くコンパクトに保てている。その影響で序盤はバルサが上手く攻め込めない状況が続いた。

バルサと対戦する時の重要なポイントは、メッシをどう抑えるかである。今日のアトレティコの守備は4-4.メッシに単独マークを付けるのではなく、最終ラインと中盤の間を狭め、メッシの行動スペースを消そうとしているようだった。

序盤はボールに触れなかったメッシだが、徐々に中盤まで降りてプレーするようになる。しかしアトレティコは、バイタルエリアに入るまではメッシにそこまで厳しく行かなくてもいいという考えのようだ。

前半30分頃、そんな中盤まで下がってボールを受けようとしたメッシからディエゴ・コスタがボールを奪い、スーパーエースのファルカオに横パス。ファルカオがここから1人でドリブルし、見事にキーパーの意表を突くループシュートで先制する事に成功した。

☆守り抜くだけの戦い

前半途中まではゲームプラン通りだったと言っていい。先制後すぐにアドリアーノのスーパーゴールで同点に追いつかれたが、スーパーゴールでも無いとバルサは得点出来ない雰囲気であったといっていい。問題が生まれたのはピケからだ。

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アトレティコは自陣から4-4-1-1のブロックを作っていたので、「1」の部分は簡単に占領されてしまう。ピケがファルカオの横を何度もドリブルで持ちあがっていった。この動きに守備陣が動かされ、後方の4-4が崩れてしまった。

アトレティコは堅守速攻を武器にリーガで2位というポジションについている。確かに堅守ではあった。しかし速効は前半30分までで消えてしまった。ピケの攻撃参加もあり、徐々に最終ラインが押し下げられ、攻撃に移行する事が出来なくなってしまった。

バルサを相手に60分間守り通すだけの戦いは地獄だ。前半終了間際にブスケツのゴールで逆転を許すと、後半はアトレティコが攻めに転じたためにメッシが空く場面が増え、無双状態に入って2得点。

希望は前半30分までで消えてしまった首位攻防戦だった。

☆まとめ~独走~

バルサ戦は前半途中で見るのが辛くなるのが大半だ。同じプロ集団とは思えないほど一方的に攻め込まれ、成す術もなく時間だけが過ぎていく。まるでゲームの世界である。

これでバルサは2位に勝ち点9差をつけ、独走状態に入ってしまった。昨季のペップのように冒険をしない現監督のビラノバは、かなり慎重なサッカーを展開している。そのおかげもあって、バルサは無敵状態に戻ってしまったようだ。

もう今季はリーガをレビューする事は無いだろう。首位攻防戦が行われていた同日、3位レアルはエスパニョールに2-2のドローに持ち込まれ、バルサとの勝ち点差は13に広がった。モウリーニョも優勝は諦めたと発言している。

私はアンチ・バルサである。CLでバルサを倒すチームが現れる事を願っている。