$basuku-doのサッカーブログ

少々遅れましたが、グループAもう1つの試合であるチェコVSロシアを取り上げる。赤がロシアで白がチェコ。グループAはどちらかというと地味なチームが集まった印象があるが、その中でもロシアは1つ飛び抜けた存在のようで、グループAで最も強いと言われている。

前評判どおりかは分からないが、試合は4-1でロシアが快勝。スコアだけを見るとロシアが相当強い存在に思えるが、チェコが残念な内容だった。試合を動かせなかったチェコを中心に書いていく。

☆4-2-3-1VS4-1-4-1の構図

今大会よく見られる光景なのだが、4-2-3-1のチームと4-1-4-1のチームの対戦が非常に多い。ポルトガルVSドイツもそうだったし、ポーランドVSギリシャもそうだった。この対決になった場合、4-2-3-1はビルドアップを潰されやすくなる。

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今大会は非常にこういう光景をよく目にする。理想的なのはCBが攻撃を組み立てる事なのだが、そうそう良質なCBがいるチームは無い。よって4-2-3-1の方が攻撃を動かせない状態が多くなる訳だ。

この試合も4-1-4-1でロシアが守りながらカウンターを仕掛ける場面が多かった。アルシャビンと1VS1の状況を作られる事も多かったし、チェコの思うように行かなかった。

チェコといえば、ロシツキ、プラシル、バロシュなどのベテラン勢がチームの中心を占める。強かった時代のチェコから脱皮出来ていないのだ。この試合でもロシツキをいかにフリーにするかが勝負の分かれ目となった。

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そんなチェコはアンカーにマークされていたロシツキが位置を下げる。当然の原理かもしれないが、この策を取ってしまうとFWが孤立しやすい。結果、ロシツキとバロシュの距離が離れ、バロシュには強引なロングボールしか飛んでこない状況になった。

ロシツキが下がっても、他が流動的に動けば攻撃の形が作れるのだが、あまり2列目からの飛び出しが無い。皆無という訳ではないのだが、前線でボールが収まらないので、イラチェクやプラシルが上がってもボールに触れない状況になる。

対してロシアは中盤が上がるタイミングが上手く、カウンターが流動的に動いていた。チェコの監督はこの試合が国際大会初采配という事で、チームとしてしっかり準備出来なかったのかもしれない。もちろんそんな言い訳は通用しないが・・・。

☆攻撃の糸口

チェコは後半からレゼク→ヒュプシュマンを投入。前半の時点で0-2とリード許していたので、何らかの動きは見せた。

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このような感じに変化する。ヒュプシュマンがどのようなタイプの選手なのかは知らなかったが、後半からプラシルが高い位置を取るようになり、ヒュプシュマンが守備を担当する位置づけになった。

チェコは前半の終わりごろから少し攻撃のヒントを掴みかけていた。ロシツキが位置を下げるところまでは同じなのだが、

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プラシルが高い位置を取ってアンカーを引きつけ、中盤に顔を出すバロシュにボールが入るようになったのだ。これで前線が孤立化する問題は少々解決した。ところがバロシュにボールが入った後に何のアクションも起きない。バロシュもすでに全盛期ではないため、シュートまで持って行けるような事にはならなかった。

逆にチェコはプラシルが高い位置を取っているために、ロシアに中央をカウンター時に使われるようになる。シロコフら中盤の選手がどんどん飛び出していき、後半はロシアがやりたい放題に攻撃を仕掛けた。

チェコは後半7分にドリブルで1人気を吐いていたピラージュがゴールを決めて1-2まで持っていったのだが、途中から一気に足が止まってしまった。前半からプレスをかけていたので、その疲労がきたのかもしれない。

これでロシアに一気に攻め込まれ、最終的に1-4。ケルジャコフがシュートを外し続けなければもっと得点が入っていた可能性が高い。チェコはグループ突破が難しいかもしれない。

☆まとめ~世代交代の重要性~

やはりチェコは世代交代がうまく進んでいなかった。昔はネドベドをはじめ、良質な選手がたくさんいたのだが、今ではワールドクラスの選手もいなくなった。昔の選手が凄すぎたため、どうしても彼らに頼りたくなる気持ちは分かる。しかしそれが原因で世代交代が進まないのはマズかった。

現在のチームもイラチェクなど若手が何人かチームにいるが、やはりロシツキやチェフといったベテラン勢の活躍が欠かせない。この試合でもロシツキの重要性とFWの穴を露呈してしまう結果となった。

ロシアは初戦を快勝で飾った事で、これからの試合運びをスムーズに動かす事が可能となるだろう。

次は開催国のポーランド。ポーランドは初戦を引き分けで終えているため、第2戦は当然勝ちにくる。攻撃的に来た相手をどういなしてカウンターに繋げるのか。チェコ戦の勝利がフロックではなかった事を証明してほしい。