結果は1-0でホームのチェルシーが勝利。金星を挙げた。この試合は久しぶりに興奮したね。バルサを止めたのは超守備的な戦術を取ったチェルシーだったと。レアルには残念な話だ。
☆4バックの前の5人
この試合のチェルシーは試合開始直後から防戦一方になる事を予想していたような立ち上がりを見せた。チェルシーはドログバを前に置いた4-1-4-1のシステムを取り、守備時には全員が自陣に戻って守備を行う。バルサは中央を固められた場合にサイドを使う事が多いのだが、この日のチェルシーはサイドもしっかりと抑えられていた。
極端な話、後半には上図のような場面も見られた。プジョルやマスチェラーノも敵陣に入り、半面のコートで10VS10が行われた。しかし守備を固めるのはチェルシーの得意技。そういったクラブの文化が根付いているようだ。
この試合のバルサは、スタメン表こそメッシが右でイニエスタが左となっているが、実際は中央でプレーする事が多かった。特にメッシは。この試合で両SBを攻撃的な選手にしたのは、攻めろという明確なメッセージだと思う。だからイニエスタとメッシが中寄りでプレーし、サイドをSBが上がるメカニズムにしたのだと思う。
バルサにとっての誤算は、あらゆる場所でフリーの選手が生まれなかった事だ。バルサは中央を固められるとサイドへ展開する。ピッチを幅広く使う事で、相手守備網を乱しやすくなる。しかしそれはサイドの選手がフリーだった場合のお話。今日のチェルシーは各コネクションで全く相手をフリーにしなかった。バルサにはまるで突破口が無かったといえる。
ディ・マッテオがどのような指示を与えたのかは不明だが、チェルシーの4-5-1の守備はかなり堅かった。この試合は最終ラインも頑張ったが、何より中盤の5人がよく守備に走ったと思う。
簡単にいえば、4バックの前に5人のDFがいたイメージになる。9バックと表現してもいいかもしれない。それだけチーム全員の守備意識が高く、統率も取れていた。今日のチェルシーはゴール前を死守するのではなく、バイタルエリアを中心に守った。わずかなラインの高さの違いだが、結果的にそれが上手くいった。
☆ディディエ・ドログバ
そしてもう1人忘れてはならない存在がいる。ドログバだ。自分の予想が当たった事を自慢したい訳ではないが、チェルシーがバルサと対戦するにあたって他のチームと違うのは、ドログバの存在だ。単なるクリアボールをもマイボールにしてしまう脅威のパワーのおかげで、少々無理なボールでも攻撃に繋がる可能性がある。それ即ちカウンターになる訳である。
私が考えていたこの試合の焦点は、FWにドログバを使うかフェルナンド・トーレスを使うのかである。後者を使った場合、たぶんチェルシーにチャンスは訪れなかっただろう。そこをディ・マッテオはよく理解していた。
先日のFAカップ準決勝トッテナム戦で見せたドログバの反転シュートが物語るように、彼のパワーは異常だ。2NDレグでも恐らく彼を起用してくるだろう。
☆まとめ~暫定監督~
さらにさらにもう1人忘れてはならない存在がいる。先ほども書いた監督のディ・マッテオだ。今季終了までの契約だろうが、彼の就任以降チームは立ち直った。CLでバルサまで倒してしまうのだから、何かが上手くいっているのだろう。この試合で光ったのはディ・マッテオの交代策である。
この試合では2枚の交代枠を使った訳だが、その2枚ともSHの交代に使っているのだ。後半29分にマタ→カルー。同43分にラミレス→ボシングワ。ディ・マッテオはサイドハーフの選手の守備が重要と判断し、彼らに走れるところまで走り続ける事を要求した。彼らは守備だけでなくカウンターの際にも重要な役割を果たす。ディ・マッテオの的確な判断は良かったと思う。
対するバルサは中央、サイドで共に封じこまれ、各選手が目立たない試合となった。セスクが裏に抜け出してゴールを狙うシーンも1度だけだったし、大黒柱のメッシも失点のきっかけとなってしまった。
2NDレグはカンプノウなので、今日とは違うサッカーを展開するだろうが、チェルシーはかなり大きいアドバンテージを得たと思う。チェルシーのミッションは90分だけで終わるものではない。180分間続くものだ。180分間を無失点に抑える・・・バルサ相手には不可能とも考えられるが、そんな期待をチェルシーには期待してしまう。
バルサとレアル、リーガの2強が共に1stレグで敗北を喫した準決勝。来週の2NDレグでレアルが勝ち、バルサが負けるシーンを見たくてたまらない。
※それと私はこの試合、全ての時間をチェルシーの視点で見ていた。チェルシーの視点というより、チェルシーが何とかバルサの攻撃を耐えている姿を応援しているだけだったので、試合の細かい部分までは全く把握できていない。ただチェルシーの守備が頑張ったとしか言えない。今回のブログは適当です・・・・。すいません。