秋晴れの日、真鶴半島1周10kmのトレッキングに出かけました。
子どもの頃に遠足で真鶴半島先っぽの三ツ石海岸には行きましたが、車でも1周したことはなく、お初のコースです。
私たちと同じトレッキングのお仲間と思しき先輩奥さまたちを横目に、真鶴駅を出発。
最初の荒井城址公園に登る入口でさっそく少し迷いました。
県が提供しているこのマップ↑毎度ファンタジーの宝の地図なみに細部が端折られてるんですよね😆(←Googleマップとかは極力見たくない派)
真鶴半島の宅地エリアはかなり道が細かく入り組んでいます。
たどり着いた荒井城址公園は、しだれ桜の木や藤棚、竹林など緑豊かで、意外な広さ。
桜の時期にまた来てみたいと思いました。

公園を出て熱海側の車道を進みます。
真鶴漁港を見下ろす道。


トレッキングルートには謎の豪邸や、趣味でやっていそうなレストランなどがちらほら……
で、ふと目にとまった邸宅。
宝の地図にも載ってない👀
「無料の美術館みたいね、入ってみよっか」
と気軽に門扉を開けて足を踏み入れたら、ここで素晴らしい出会いがあったのです。
堀田高洋画館
「おじゃまします」
玄関先で声をかけると、奥の部屋から奥さまが出てきてくださり、どうぞどうぞと室内へ。



美しい絵がたくさん掛かった海一望の大邸宅に突然お邪魔してしまった感じです。
ですがこちらはあくまで美術館でご自宅はまた別とのこと。
奥様は俳優座で女優のお仕事をされているときにご主人である堀田高氏と出会い、パリに1年半の約束で移住。その後ルノワールが住んでいた南仏カーニュの村に移り、イタリア・アルプス山中の別荘とも行き来するなどして在仏40年。
帰国されて真鶴半島に美術館を構えることになったのだそうです。
なんという人生!
90歳を過ぎてらっしゃると言う奥さまは、アフリカンプリントのエプロンをかけ、綺麗にまとめた髪、凛としたたたずまい。今もお美しいですが、お写真で見せてもらった若い頃の美しさ……
まさに美女の人生。
わたしはちょうどこの少し前に画家とその妻とモデルとを描いた仏映画「美しき諍い女」を鑑賞したところだったので、画家とその奥さまのお話にイマジネーションが広がりました。
いろいろなエピソードと共に3室ある展示を1時間半程かけて見せていただきました。
窓から外を。




描かれているのは、地中海の空、南仏の大きな木の下のレストランでのひとときや取材旅行で出かけたギリシャの島、自宅の庭の花々など。
絵にも登場するフランスで飼ってらした犬の名前を「コロ」かと聞いていたら、後から奥様が書かれたエッセイ本の文字で「コロー」だと気づきました。さすがフランス🇫🇷🐶
絵を見たあと、キッチンでお庭でとれたミントのお茶もいただいてしまいました。
絵にまつわるエピソードやフランスでのご夫妻の幸せな日々をうかがっていたらこちらも旅した気分になりました。
帰りに気に入った作品の絵はがきをいただきました。
美術館をあとにした私たちは「映画を1本見たくらいの気分だね……」と、少し言葉少なくなりながらまた歩行を再開しました。


お林展望公園で一休み。

三ツ石海岸のカフェでかき氷。


真鶴半島は原生林が保護され、驚くほどの大木が各所に残されていました。
歩いて眺めて飽きない景観が続きました。

絵とマダムと海と大木と
真鶴半島での素晴らしい出会いに感謝です。