ヘミングウェイの「老人と海」の新訳が新潮文庫から出ていて(2020年刊行)、本屋でふと手に取りました。
イラストもキレイ!
立ち読みで冒頭2、3ページ読んだだけで引き込まれて、ちょっと泣くくらいで
購入。
文字や行間もゆったりしてるのであっという間に読めました。
ヘミングウェイを読むのは「日はまた昇る」に続いて2冊目ですが、あちらはとにかく飲みっぱなしのダメな大人たちが主人公で虚無感、退廃感が強かったなー。そういうのはもう現実だけでいいのかも……w
こっちは巨大魚と老人の格闘に健全にワクワクできます。
子どもでもあっという間に引き込まれそう!と思って姪っ子(中1)にすすめたら、素直に読んでくれて嬉しかったです。
ところで今回「老人と海」でいちばんワクワクしたのが、キューバ沖メキシコ湾流が舞台のこの「老人と海」に出てくるいきものが、ここ小田原にもいること!!
釣り好きな人や海に詳しい人だったらもっとワクワクするに違いない!
〇小田原にもいる、その1
まず主役のカジキ。
老人と3日間も知恵比べ根比べした高貴な魚。
(カジキはマグロの仲間とずっと勘違いしていましたがカジキマグロは俗称なんですね)
はい、ばしょうかじきいた!
@小田原のスーパーヤオマサ(去年くらいに撮影)
この剣のようなとんがった嘴(上顎)!
老人と格闘したカジキの種類はわかりませんが、18フィート(約5.5メートル)との記載があるのでこれの5、6倍?
とんでもない巨大カジキですね。
切り身がいくつ取れるんだろう。
(老人が一冬を越せるくらいの儲けになると作中には書かれていました)
小田原のこのばしょうかじきは相模湾でどうやって釣り上げられたんだろう……
ヤオマサのカジキの嘴はきっと捨てられてしまったでしょうが、老人が釣り上げたカジキの嘴は少年がもらったはず。
さぞ大きな立派な嘴だったことでしょうね。
〇小田原にもいる、その2
老人がカジキとの格闘中に、ついでに釣って船上で食料にしていたシイラもヤオマサにいました。
老人はシイラをやむなく生で食べて「まずい」(これからは塩かライム抜きには漁に出られないな)と言っていましたが、たしかにムニエルにして塩コショウしてレモンを振ったシイラは最高です👍🏻老人に調理したのを食べさせてあげたい。
ところでキューバ人って生魚は食べるのかな?
とついでに調べてみたらこんな記事がヒットしました。
ヘミングウェイに釣りを教えた日本人がいたなんて。
〇小田原にもいる、その3
老人が「邪悪な水(アグアマラ)」「この淫売め」と罵っていたカツオノエボシ。
これもキューバ沖から大西洋、太平洋まで広く生息してるんですね。
私はまだホンモノのカツオノエボシを見たことないのですが、つい触ってしまいそうな危険な美しさらしい。(だから「淫売」なのか)
他にも作中にはビンナガマグロ、トビウオ、イワシ、そしてイルカや各種サメ、海亀などのほか、渡り途中の海上で疲れ果てて船の舳先にやってくる小鳥まで、海に暮らす生きものがたくさん出てきました。
相模湾もメキシコ湾も海は繋がってる!
小田原に引っ越して来なかったら、ずっと船上が舞台の小説を面白いと思ったかどうかわかりません。確実にたのしみが増えました。
次はヘミングウェイのこれ「海流のなかの島々」を読んでみようと思っていますが、翻訳が古い&文字が細かくてけっこう大変そう

ヘミングウェイの海シリーズ。また知ってる身近な生きものが出てきたらブログに書きます。