小田原を流れる酒匂川。
かつては橋がなく、江戸のころ東海道を往来する旅人は、ここで人足に手引や肩車で向こう岸まで運んでもらったとか。
東海道中膝栗毛の世界。
そんな酒匂川の中ほどに流されずにある、人工物とも自然物ともつかないこの物体。
よく見れば、岩に枯れ枝やボロ切れが引っかかっているだけ。だけど誰かの意図的な創作物にも見える。
なぜか流されず、いつからあるとも知れず、通るたび気になって見てしまう。
酒匂川を往来する現代の旅人も「これ」の存在に気づいている人は多いはず……
そういえばこの前の大風以来、これをまだ見に行っていない。
もし流されてたら、普通の川になってしまうようでちょっと寂しい。