2日後、CT結果を持って
再び職場近くのクリニックへ。

結果を見た先生の顔が
みるみる曇っていく。


あらあら、
そんなに悪いのかしら?


先生は 
「これは、、、予想外の展開」と言ってから、
画像を見ながら説明してくれた。


2日前、
レントゲン写真に
ひとつだけ写っていた腫瘍らしきものは
CTの画像上ではひとつではなかった。


1,2,3,4…数えられないほど
そこに写っている
小さな白い真珠のような、丸い影。


写真が上から下に徐々に切り替わるたびに
肺の中に無数に存在しているのが見える。


あー、確かにたくさんある。


それはミルクティーに浮かぶ
タピオカに似ていた。


先生と2人で画像をしばらく見つめる。


こういう場合、
身体のどこかに病巣があり、
それが肺に転移していると考えるのが
普通だそうだ。 


そして
このタピオカ(腫瘍)が
良性が悪性かは
CT結果を見るだけでは
まだ分からないけど
両親とも癌歴があるとなると
悪性であることも
十分に考えられると。 


先生は言葉を選びながら
こちらの表情を見ながら
慎重に伝えておられるのが分かる。


楽観してる場合じゃないんだ。。。と
ピーんとした緊張が全身に走る。


先生は
『本当に体調悪いところない?
しんどかったり、痛かったり、
気になること、何かない?』
としつこく聞いてくる。


でも、本当に自覚症状は何もないので

『いやーーー。。。
特にありません』と
答えるのみ。


そして先生は、
総合病院への紹介状を書きますので
そちらで詳しく見てもらってくださいと。


大きな病院への入院歴はあるか聞かれたので
二回の子宮筋腫の手術と
二回の出産をした総合病院の名を伝える。


僕がその病院に電話しておくので、
明日あなたに電話が入ると思います。
外来を受診日を決めて受診するように、 と。


待合室で支払い待ちをしながら
さっきの先生の話が
ぐるぐると頭を回る。


あー私、癌かもしれん。


どこか人ごとのようにそう思いながら、 
夫にひとことだけ
「わし癌患者」と
LINEを送った。