昨日は雨が降ってなかったから本当に怖いのは風だ。
なので、これなら大丈夫だと確信した上でぼくらは車に乗った。
ここから船着場まで30分程度。
時計は5時を少しまわってる。
6時出発の船という事だったので、ちょっと急がねばならなくなった。
ほんとはもっと早く出発するはずだったが
なぜか手品の話で盛り上がってしまい、こんな時間になってしまった。
こんな時に、なぜ手品の話だったのだろう・・・
今考えると不思議である。
今回のボスであるN君の車を追う形でぼくらも車に乗った。
長崎市内から野母岬に向かう。
だんだんと寂しい道になる。
心臓が高鳴り
口の中が緊張で乾ききってしまった。
いよいよだ。
峠越えのようなウネウネ道。
しかし
一向に到着しそうな気配がない。
N君の車がスピードを上げた。
こんなとんでもない道を猛スピードで走り出した。
船酔いする前に車酔いしそうなほどの勢いだ。
もしや・・・
そう、この時彼は道を間違ってたのである。
とんでもなく遠回りをしてしまったのだ。
後で、港で彼に
「すみません、道間違っちゃって・・・」
と謝られた。
言われなくてもわかってるよ、という感じだ。
ぼくらは無事に船に乗る事ができた。
車を出た時に感じた風の強さに不安がる暇もなく、バタバタと。
つづく
