映画「TANG」公開おめでとうございます〜!!
(更新するの遅すぎてもはやおめでとうございました〜!感)
二宮くんの、嵐休止後のお芝居、映画。
二宮和也ファン的には、このような作品と出会えた二宮くんを見られたことがとても嬉しかったです。
以下、簡単に感想です。
ネタバレは全く気にせず書いているので、内容に触れたくない方はここまでです。
まあ、もはや更新遅すぎてネタバレ気にしてる人なんていない気がしてきましたが、、、、
まず、これは二宮和也ファンとしての感想ですが、
全編を通してこんなに二宮くんのお芝居を浴びることになるなんて思ってませんでした。
ほぼ、二宮和也の一人芝居じゃないか。
二宮和也でないと成り立たない映画、
二宮和也だからこそ成り立つ映画。
ファンとして、こんなに幸せなことはないなあと感じました。
ましてや、タングの声も動きも二宮和也があてたというではないか。しかも彼発信の提案で。
ファンとして、こんなに幸せなことはないなあと感じました。
ありがとうございました。
作品としては、私は親子や二宮くんが言ったようにおじいおばあと孫に行って欲しいなあと思える作品でした。
もっと言うと、個人的には子供がとにかく「タング可愛い〜!」ってお喋りしちゃったり、
「車こっちや」とかで笑っちゃったりするような空間で、大人がそれを見守る「TANG」ほど平和なものはないんじゃないかと思えるくらい、子供と相性がいいように思いました。
夏休みなのをいいことに(ご時世的な話は一旦置いておいて)、
「喋っちゃってもOK親子上映!」とかあっても良かったんじゃないか、と思えるくらい、です。
それくらい、この映画にはパッと見て楽しい「可愛い」が詰まっていたように思います。
子供と見る初めての映画が、この「TANG」という作品だとしたら、
その親子はめちゃくちゃセンスがいいなと思います。
映画を見る前よりも、見た後の方がタングへの愛しさが増し増しの増し。
この可愛さが、映画を見る前からもっとたくさんの人に伝わってたら、子供層にも刺さったのかなあ、とか、、、
ただ、扱っている題材自体は、仕事での挫折や夫婦関係という大人特有のものではあると思うので、
物語を理解するとか言葉を理解する点においては普通に大人向けだと思います。
でも、物語全く分からなくても子供は楽しめる映画なんだろうなと思いました。
だってタングがとにかく可愛いもの。
夏休みに、タングを愛でる。
素敵じゃないかそんな時間の使い方。
だからこそ、もっと親子や子供たちに楽しく見て欲しかったなあ、そういう宣伝方法でも良かったんじゃないかなあと思ったりもしています。
極論、アニメもいいけどタングもいいよ!くらいの。
まあ、現実的な話を飾りなく言うと、
個人的には物語の構成自体はシンプルなので、
これ以外に他に特に何も言えないって言うところではあります。
個人的には細やかな設定とか伏線の組み込み方は好きなんですけどね。
分かりやすいところで言うと「ルカはユウのために、ユウはルカのために」→「タング健のために、健タングのために」みたいなね。(ルカとユウだっけか?)
お宝、とかが、100円硬貨やキャンディやおもちゃにつながっていくくだりもそうだと思いますが。
あとはナルシストのくだりとか、占いのくだりとか。
もはや伏線って感じでもないけど、設定や伏線が細やかに後の場面に効いてくる感じが、私はとても丁寧だなあと。
・テレビつけてアトビットシステムズのCM→部品からの流れ
・コーヒーと点滴
・医者の手術→タングの修理
・「あの人大丈夫かな」「音がする。大丈夫。」→妊娠していることに気づく
とかね。
コーヒーと点滴のくだりで、健がうたた寝するシーン、めちゃくちゃ良かったな、、、
コーヒー見ながら今にも寝そうな健の芝居と、その後のビクって起きる健の芝居が私はめちゃくちゃ好きです。
話戻します。
と、まあわかりやすいものではあるんだけど、細やかだなあ、と。
一瞬話飛ぶけれど、「ようこそ、ミナト先生」で感じたソレと同じです。
伏線に驚くことはないんだけれども、心地がいい感じというか。
細やかだなあ、って感じる脚本。
まあ今回の場合は、タングとの最後のくだりをやるためには設定は医者以外許されないんだと思います。
まあその点で、私はいくら研修医で辞めてしまっての現ニートだとしても私はどうしてもダメポンじゃないよなあ、と思ってしまうんですよね。
私はどうしてもその設定に説得力が感じれなくて、、、、、
映画の中で、健が研修医だった情報が出てくるわけですが、初めて見た時その設定に驚きすぎて「全然ポンコツじゃないやん」と思ってしまいました。
とまあ、個人的には細やかさを感じつつ、そういった別の次元での細かい部分が割と気になってしまって
作品としての出来はそこそこかなあ、と感じました。
ただ、おそらくやりたいことって
成長するとか記憶取り戻してどうこう、じゃなくて
回復する、きっと大丈夫と誰かがいるから前を向ける、みたいなところを丁寧に描くことだと思うので、それは間違いなくできているんじゃないかなあ、と。
健は、研修医を辞めたわけですよね。
お父さんのことがあって。
自分に自信が持てなくて、怖くなって辞めてしまったわけですよね。
でも、健は元々「誰かを救いたい」という強い思いを持って医者になってるわけです。
めちゃくちゃ人に思いが向いてる人間なんですよね。
それは、絵美との出会いのシーンでよくわかるはずなんです。
健は、記憶を無くしたタングに対して、
宮古島に着く頃には子供を見るような目でタングを見てしまっているんですよね。
それは、元来周りの人を分け隔てなく思いを向けられる人だからだと思うんですよね。
そんな人が、自分に自信をなくして研修医を続けられなくなるくらい精神的なダメージを受けたわけです。
そんな人が、妻の1人にでさえ、おとぼけたり寄り添えたりできなくなるくらい精神的なダメージを受けたわけです。
相当のダメージだったんだろうな、と思います。
相当なダメージなんですよ、だって何年もニートになってしまうくらいだから。
そういうある種、むごい現実部分が、演出が軽やかだからこそあまり感じられなくて。多分ね。
完全にファンタジーに振り切っているというか。
時間をかけた場所がそこじゃないというか。
描かれていない、描かれるはずの現実的な部分は比較的重くて。
タング含めて、少なからず命を扱ってる映画だと思うので、この映画は。
そういった、深いところまではなかなか伝わりにくいのではないかなあ、と感じました。
と同時に、もはやそういうことが伝わらなくても「タング可愛い」で成り立つことができる映画だと感じました。
、、まあもしかしたら単純に私の想像力が乏しいだけで、みんなそれなりにこういった部分も受け取れているのかもしれませんが。。
話は戻り。
そんな健が、タングと3日間くらい時間を過ごすことで、本来健という人間が持つ周りとの距離感の掴み方を、健は思い出していくわけですよね。きっと。
その二宮さんのお芝居が何とも言えず心地よくて、
タングとのシーンで涙するんですよね。
バックグラウンド関係なしに、「健〜!」と呼んでくれるタングに、健は救われたわけですよね。
このタングだけは、今自分を「父親を救えなかった研修医を辞めたダメポン」として見てないわけですから。
健は、ダメな自分には、居場所がなくて、家に閉じこもっても居場所がないように感じて、
絵美にさえ心を開かなくなってしまっていたと思うんですよ。
そんな健に、タングは居場所を与えたわけです。
「健と一緒に帰る」という言葉は、健にとってはめちゃくちゃ嬉しい言葉だったんじゃないかなあ、と。
苦しかったり、嬉しかったり、っていう感情は
生きてて目に見えることもあれば見えにくい、見えさせないことが普通なんだと思います。
そこの感覚だけは普通にある映画だったと思います。
その現実的な部分とファンタジー的な部分の絶妙なバランスが、良くも悪くもこの作品なんだろうなと思いました。
タングの精巧なキーホルダーください。
この際ぬいぐるみでもいいです。