映画「99.9 刑事専門弁護士 the movie」
2021年12月30日公開!
私はファンとしてではない部分で個人的にこの作品には思い入れがあるので、
こうしてスペシャルドラマや映画となって作品に触れられることを別の意味でとても幸せに思います。
そんな個人的な思い入れや
小ネタ、ギャグの数々であまり気に留めていませんでしたが、
映画となったことで改めて見えてきた"この作品が持つ意義"みたいなものに自分なりに触れられた気がしたのでつらつら書きます。
ネタバレ要素は多分出てきているので嫌な人はここまででーす。
まず、今まであまり気に留めて(留められて)いなかった、という事実に関してですが、
それは何より媒体の違いが生んだものなのだろうなと思います。
テレビドラマは
誰でも気軽に見れる/みんな同時に見られる/"片手間でも"見られる
ことがやっぱりどうしても特性だし魅力なんだと思います。
合間にCMが挟まることで、家族に会話が生まれたり、SNS上で考察しあえる、わけです。
だから、99.9が"一番(?)"大切にしている小ネタやギャグが盛り上がるんです。
刺さる人には刺さるし、刺さらなかった人はその刺さった人を見て、なるほどと楽しめるし自分の幅が広がるわけですよね。
録画をすれば、一時停止だってできるし、逃すことはない。
テレビドラマ×小ネタのオンパレードは
みんなで楽しむには割と相性が良いわけです。
でも、映画はそうはいかない。
映画は観ている間は他者とコミュニケーションは取れないし、一時停止もできない。
今までの楽しみ方とは少し異なってくるわけです。
しかも、99.9という作品は
小ネタという部分においては前述した通り割とテレビドラマと相性が良かったように思えるので、
映画では"一番(?)"力を入れていた小ネタの数々に気付けない可能性や楽しみきれない可能性があります。
(無論、楽しむために複数回足を運ぶという映画ならではの楽しみ方も同時に生まれるわけですが)
ってなった時に、
映画になったことで小ネタなどのいわゆる"面白ポイント"よりも、
作品自体が持つ伝えたいことや意義をドーンと受け取ったような気がするのです。
少なくとも私は。
だから、冷静になって考え直した時に、
「99.9ってなんであんなに題材いいのにギャグと小ネタに命かけてんの?」ってなりました。
普通に。はい。
これは褒めてます。とっても褒めてます。
この作品はリーガルが題材な中で、
"事実にこだわること"が大切だということに何よりもスポットを当てています。
主人公深山は、依頼された事件の事実を知ろうとする。
そのためには現場にも行くし何度だって検証もする。
そして、いわゆる後日談のシーンには
深山はその場にいないか、いたとしても少し遠くにいます。
「僕は事実が知りたいんです。」
何か大きな権力や誰かの思惑に惑わされずに事実を見つめ続けることで、誰かを救うことができます。
この作品が持つメインテーマだろうなと思います。
でも、映画を見て改めて、
テーマは「真実は人によって違うけれど、事実は一つ」「嘘で人は救えない」にあるけれども、
"じゃあ具体的に何を描いてる?"ってなると
事実にこだわることそのものよりも
家族、友人、パートナー、みたいな人と人との結びつきの温かさとか強さの方を時間をかけて表現してるのかなあ、と思いました。
そして、99.9って実はメインのテーマは【家族】なのかなあ、と思いました。
というか、途中から(シーズン2を制作すると決まった時点で)より家族に振り切ったのかなあ、と。
"良くも悪くも"、この世界を生きる上で
家族の繋がり、結びつきは、強くあります。
元々深山には家族との結びつきが強くあります。
父親の事件があったから、今の深山がいます。
家族との結びつき→事実にこだわりたい、という順番なんだよなあ、と。
そして、この作品には
深山のいとこ出てくるし、
佐田の家族のシーンはずっとあります。
例えば藤野の娘ちゃんの話もあって、
シーズン2では尾崎は弟がいて、等々。
映画では河野若月、南雲親子、重盛親子、って出てきますし。
南雲親子はただの親子じゃないし。
家族の繋がり、ってところから外れると、
立花は中塚と繋がりがあったし、
明石と深山の繋がりの強さはもはや他人が口に出来るようなものじゃないと思いますし。
完全に余談ですが、
私的には、シーズン2を作る段階で
家族や人とのつながりを描くことにもきちんと向いたから
シーズン1の立花と中塚に接点を作った、というのがピンときます。
シーズン1の走り始めは小ネタと事実にこだわる
(深山の父の事件の事実を知りたい、事実だけは1つだから、が連ドラとして軸にある?)から、
立花の役回りは刑事事件を専門にするなんて!?っていう入口を担うただの同僚であり、
小ネタとしてプロレス好きの要素を含ませるだけで十分だったんだと思うんですよね。
シーズン2を制作するってなった時に、
深山の事件を掘り下げること、かつ他の登場人物(尾崎)にも、
深山と同じような"家族が冤罪で捕まった"というバックグラウンドを用意したんだろうなあ、とか。
まあ余談はここまでにして。
そんな、私には一生推測の域を出ないようなことを考えてしまうくらい、
この映画はそんな家族や人と人との繋がりが色濃く描かれていたような気がします。
というか、勝手に感じました。
この作品では各々のキャラクターが濃く、
小ネタ、ギャグのオンパレードとなっています。
そして、この作品では、
濃いキャラクター同士が交わる時間
=小ネタ・ギャグが存在するパート、でもあります。
小ネタやギャグに力を入れれば入れるほど、
当たり前ですが尺は食うし見所になります。(主に刑事事件ルームといとこんち)
でも、そんな小ネタやギャグが存在するキャラクター同士が交わる時間に、
誰かと誰かの繋がりを強く感じられてしまいました。
意図してか意図せずかは分かりませんが、
この演出だからこそ、登場人物それぞれのつながりが強いことを感じてしまうし、
それぞれのキャラクターが愛おしく感じてしまうんです。
小ネタやギャグばかりだけれども、
私たちはその背景にあるものを想像して、
自分の中で登場人物を動かせてしまうほどのキャラクターを作れてしまうんですよね。
そんな演出が生み出したキャラクターが、
この映画ではみーーんな出てきます(!)
この"無駄な豪華さ"も、99.9の魅力だなあと思ったりもします。
一瞬しか出てきてない連ドラキャラクターにも、
しっかり心が躍ったのは事実なんです。
大切な軸にある部分がずっとブレていないからこそ、
ずっとブレていないというのがいつも感じられるからこそ、
いくら"ふざけてて"もストレス無く見てられるんですよね。
だから好きです。
99.9だなあと思います。
狙ってか狙わずしてかは分かりませんが、
私はこういう部分で99.9ならではのエンタメ要素を感じます。他にはないなと感じます。
振り返ればずっとそうだったけど、
"良くも悪くも"人と人との繋がりが生むものが自分の人生にどう影響するか、みたいなものを
映画館で観て今になって強く感じました。
そういう大切なことをまともに言わないのが99.9っていうエンタメだなあ、と。
どのドラマも映画もそうじゃん?って言われたらまあそうなのだけれども、
演出的にキャラが濃いのと、
「事実」が大事で、それ以外の何かを否定することはない作品だから、
冷静になった時によりそれぞれの家族の形に想いを馳せられるような気がします。
良い悪い、じゃないんですよね。
ただ、ただ、その結びつきは"強い"。
そういったことに個人的には触れたような気がします。
だからこそ起きた冤罪だったし。
語彙力がないのでこれ以上はやめます。(毎度恒例)
私は嵐以外の知識が乏しいので、
小ネタを回収するのはとても難しいんですけど、
「もうすぐクライマックス」(まもなく、だったかな?)ってあったり、
「またいつか」ってあったり、
相変わらず楽しいなあ、と。
連ドラで出てきた人たちがメイン人たち以外にも
新聞のニュースだったり色々な場所でチラッと出てくるのもドラマから見てた身としてはとても楽しかったです。
あと、嵐の曲バックに、Find the Answerをバックに
ラストとどめの小ネタのオンパレードが繰り広げられていて
観てるこっちがワタワタする感じが超99.9でした。
ドラマっぽく終わる(=エンドロールが下に右から左に出る)のも、個人的には好きでした。
これからも続くんだなあ、って気がして。
またいつか。