香車とクイーン | ツールボックス

香車とクイーン

山の手線でガムを噛んでいる。窓の視界がサッと奪われて、乗車した100人程が同じ穴の中に入った。
品川で今日の仕事の約束がある。青い冷たい空の下、精肉工場が近くでローテーション作業をしている。カラスの余り集まる場所をさけて待ち合いをしていた。一台のワゴンは人の心臓をエグるような音を立てて彼に近付いて来る。伏せ目勝ちなな彼はようやく観念したように顔を上げた、洗車されていない白の車体が彼には無情のお迎えに見えた。目の前で止まった車のドアが開き、中からヤニの臭いが漂う。近くで彼を睨み付けていたいたカラスがしきりに鳴いていた。