逆さまにさせてよ | ツールボックス

逆さまにさせてよ

リモートコントロールで妻と息子をうごかせればそれ以上の事はなかった。精一杯考えるに当たって、他人(家族)の意見は優先順からまず取り除いた。研ぎ澄ます感覚で最高に純度の高い意見が求められたのだ。
弾き出される答えはことごとく外気に傷つけられたが、生み出される瞬間の真珠の玉の様な美しさと言ったら、無かった。
彼は一目で虜になり、そうしておいて死ぬまでその輝きを愛すだろう。
鼻のにおいに心変わりをするくらい、彼は心細いのだから。

残された玉の様な残骸は惨たらしく灰と化しやがて草木を枯らして行く。灰のつもる荒野の向こうで一体何者かが笑っている。