夜間、止まない絶望 | ツールボックス

夜間、止まない絶望

何も言わなくてもいい。電気の消えた部屋で二人、ベッドの上で止める事なく灯る愛。女は白かった、
揺れる度に伸ばした手で何かを掴む、堪えるように、己の欲情を訴えるように。男は長く、雛の卵に巻き付いた蛇のようだった。絡む背中は異様に曲がり頭を垂れて女の乳房を噛んでいた。
夢に見た事もない快感が二人の身体を駆け抜けて、そうして過ぎ去った。
「愛してるよ」
一体今何が起こったのだろうか?少ない情報を現実と当てはめるピースとして少しづつ意識を確立していった。目を凝らせば、視覚的な情報があまりに自分の理解の範疇を越える物に変貌している事に男は少したじろいだ。
(続く)