そう思った直後

ブブブブ、とテーブルの上に置いてたケータイが震えだした


「っ!!」

彩人「あーあ・・・・・・」


その音でハッとして、先輩の下から抜け出してケータイを取る


「あ、お母さんっ!」


画面を見て、慌てて通話ボタンを押した

電話の内容はいつ帰ってくるのかということだった

それを聞いて窓を見たら、ここに来てからかなり時間が経ったようで

空には星が出ていた


そしてーー

先輩の家を出て、ふたりで夜道を歩く

急に帰ると言った私を送ってくれる先輩

少し悪い気もしたけど、

『ひとりでは心配』という先輩の言葉に甘えることにした


゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚


彩人「まさかーーあそこで帰るとか言うとは思わなかったな」

「・・・・・・・・・・・・」


なにも言えない

だけど、ちょっと電話をかけてきてくれたお母さんに感謝かも

ちょっと残念にも思ったけど

あのままだったらきっと・・・・・・


彩人「どうしたの、黙っちゃって」

「い、いえ。なんでも!」

彩人「まあでも、今日は遅くなったから、仕方ないね。お母さんを心配させるわけにもいかないしね」

「先輩・・・・・・」

彩人「ああでも、次はちゃんと鍵を使って自分から来てくれると嬉しいな。君ならいつでも大歓迎だよ」


先輩が足を止め、軽く私の頬にキスをする

そのあとトンっと背中を押した


゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚


彩人「さ、家に着いたよ。今日は来てくれてありがとう。また明日、学校でね」

「はい!あの、ありがとうございました」

彩人「じゃあね」


優しい笑顔を浮かべ私に背を向け歩き出す先輩

私がまだ見ていると知ってるのか、

道を曲がる直前、背を向けたままひらひらと手を振った

そして先輩の背中は見えなくなった


「・・・・・・先輩って、完璧というか、何でもわかってて取り乱すとこ見たことないなあ」


ちょっと見てみたいけど、

無理ーーーかな

そして今日の事を思い出し一喜一憂ながら、眠りについた


゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚


Chapter2 ちょっと可愛いかも (17)


今日は一人で登校

先輩がバイトの時はたまにある

そして、こういうときは絶対といっていいほど先輩は遅刻する


「先輩、間に合うといいけど」

???「おはよう、マリィちゃん。心配ありがとう」

「!!」

彩人「おはよう。間に合ったよ」

「ははは・・・・・・。おはようございます。良かったです」


聞かれちゃった・・・・・・

まあでも、遅刻しないで来てくれて良かったかも

今日は須賀くんが門の前に立ってたから


彩人「校舎まで一緒に行こうか」

「はい!」


先輩の誘いに元気よく答えた直後


秋夜「あれ、あやさんだ」

隆「ホントだ!マリィ先輩もいるーー!」


私たちの声をかけてきたのは、桜庭くんと結城くん

2人で一緒に登校してきたのかな?


゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚


彩人「おはよう、転校生くん。元気くん」

隆「もう、結城ですってば!」

彩人「ああ、そうだったね。おはよう、結城くん」

隆「へへっ。おはようございます」


なんていうか、

このやり取りってもう挨拶みたいなものになってるのかな


秋夜「・・・・・・・・・・・・。俺の名前も転校生じゃないんだけど」


このやり取りを見てた桜庭くんがボソッと呟く

だけど


彩人「なにかな?なにか言ったかい?転校生くん」


転校生を強調したような言い方に、桜庭くんの表情が変わった


秋夜「怖」

彩人「なにかなー?」

秋夜「なにもないよ」

「あははは」


そう言えば最近、先輩は結城くんを名前で呼ぶようになった

それってきっと先輩の中で結城くんが認められたってことなのかな?



to be continued・・・