その時、ベットの向こうで電話が鳴り響いた

同時にそちらを振り向き

彼はため息とともに、脱ぎ捨てたシャツを持ってベッドルームを出る

私も慌てて身なりを整えて、追いかけた

社長室に戻ると、ちょうど彼が電話を受話器に置いたところだった


総司「もうすぐ秘書がこちらへ来る。お前のその顔を見たら、何があったか一目瞭然だな」

「え?」

総司「顔が赤い、目も潤んでる」

「!」

総司「さて契約はどうする?」

「・・・・・・もう、私がなんて答えるのかわかってるくせに・・・・・・」

総司「それでも言わせるのが奴隷とこ主人様の立場だろう?」


イジワルな笑顔に一緒ん見惚れてしまう

慌てて首を振り、私はソファに戻って婚姻届に自分の名前を記した


「あ・・・・・印鑑、持ってないんですけど」

総司「そのくらいこちらでどうにかする」

???「失礼します」


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コンコン、とドアがノックされ、彼がそれに応える

どあの向こうから、背の高い男性が入ってきた


総司「秘書の香坂だ」

「あ・・・・・・初めまして、椎名マリィです」

香坂「存じております」

総司「お前のことを調べたのは香坂だからな」

「そうなんですか?

香坂「申し訳ありません」

「いえ・・・・・・」


香坂さんは私の反応に、驚いたような顔になる


「どうしたんですか?」

香坂「いえ・・・・・・ご自分のことを調べられたのですから、もっとお怒りになるのかと」

総司「ははっ、従順だろう?俺の奴隷は」

香坂「・・・・・・社長」


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香坂さんが、私をチラリと見てから、たしなめるように彼の方を見た


香坂「あの部屋は、そういうことをする場所ではありませんよ、仮眠室です」

総司「そういう堅いこと言うな。あれも俺の部屋だろう」

「あ、あの!べ、別に変なことは・・・・・・」

総司「ほう、お前にとってあれは変なことでも大したことでもないのか」

「そ、そうじゃないですけど!ちょっとキスした程度じゃないですか!」


思わず言ってしまった言葉に、香坂さんが目を見張る


香坂「社長・・・・・・その程度で終わったんですか?」

「何の話をしてるんですか!」

総司「愛してなければダメなんだと、甘いことを言うからやめてやっただけだ」

香坂「まあ、・・・・・・マリィ様が正論ですね」

「ですよね!」


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ちらりと彼に見られ、慌てて身を竦めて口を噤む


香坂「大丈夫ですよ、すぐに夫婦らしくなれますから」

総司「夫婦じゃない、奴隷だ。そうだろう、マリィ」

「夫婦です。一応、戸籍上は」

総司「だが契約上は奴隷だ」

「そうですけど・・・・・・」


(やっぱりこの人には逆らえない・・・・・・)


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総司「香坂、マリィの会社と契約を結ぶと下に伝えろ」

香坂「かしこまりました」

「あ、そっか・・・・・・その為に来たんだった」

総司「違う。俺の奴隷になるために来たんだろう?」


相変わらず不敵に微笑む彼は、まるでこうなることをすべて予測済みだったように見えた


香坂「それでは、マリィ様には本日より社長の自宅へ移っていただきます」

「え!?」

総司「夫婦になるんだから当たり前だ。それに・・・・・・お前は、今日行くという名の花嫁修業が必要だな」

「花嫁修業って・・・・・・」

総司「安心しろ。俺が直々に教えてやる。とりあえず、今日は会社に戻っていい。香坂、送ってやれ」

香坂「かしこまりました。では、マリィ様、どうぞ」


社長室を出る直前、振り返ると・・・・・・

私と目があった彼は、本心のわからない顔で微笑んだ

これから一体どうなってしまうのか・・・・・・私にも想像もつかなかった


To be continued・・・