銃口を向けたまま私の体を引き寄せた

しっかりと私を抱きしめてくれる

秋緒さんのぬくもりに、私は力が抜けてしまいそうだった

(でも、まだなにも終わってない・・・・・・!)


組長「おまえら、何をしている!こいつを早くどうにかしろ!」


秋緒さんの覇気に押されていた組員たちがハッとしたように身体を震わす

何人かが刃物を抜いた

しかし、秋緒さんは動じることなく、銃口を組長に向ける


秋緒「おまえら誰か一人でも俺かマリィに触れてみろ!その瞬間に組長の頭をぶち抜く!」

「秋緒さん・・・・・・」

秋緒「何も心配するな」


私の肩を抱く腕の力がこもる


組長「ははは!分かったぞ、秋緒!」


突然、組長が笑い声をあげた


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組長「おまえは、撃たないわけじゃない。撃てないんだな?」

秋緒「・・・・・・・・・」

組長「儂の息子といっても、堅気の生活を送ってきていた。たとえ、銃の使い方を知っていたとしても、それで人を殺すとなると話は別だ」

秋緒「・・・・・・・・・」

組長「どうだ、図星だろう?」

秋緒「いつだって撃てるさ」

組長「じゃあ、儂を殺してみるがいい!」


急に態度が豹変した組長が秋緒さんを挑発する

でも、傍にいる私にはわかる

秋緒さんは、全く動揺していない


秋緒「撃てないんじゃないさ」

組長「では、なんだというのだ?」

秋緒「待ってるんだよ」


パァンっ!

そのとき、外で銃声が響いた


゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚


一度、外で響いた銃声

少しの間があった、立て続けに銃声が聞こえた


秋緒「おせーよ・・・・・・」


ぼそりと秋緒さんが呟いた


組長「なんだ!何があったというんだッ!」


組長が声をはる。

その間にも、外の闘争の気配は近づいてきている


組員「組長!荻原組の奴らがかちこんできやがりました」

組長「なんだと!?」


一気に部屋の中が殺気立つ

慌ただしくなる周囲

組長を含め、みんな私たちの存在など忘れたようだ


秋緒「今のうちだ、逃げるぞ」

「・・・・・・はい!」


秋緒さんに手を引かれ、組員たちが入り乱れる中、その場を抜け出す

しっかりと、握った秋緒さんの手

そのぬくもりに安堵を感じたのか、私の頬には一筋の涙が伝った


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喧嘩に紛れて藤堂組を抜け出し家へと戻った

夜中の藤堂組と荻原組の闘争

家の帰ってテレビをつけてみると、報道でどの局も取り上げていた


秋緒「危機一髪、だったな」


闘争に警察が介入してきたということを確認すると、秋緒さんはテレビを消した


「秋緒さんは、荻原組がしかけてくるのをわかっていたの?」


秋緒さんは、私の質問に少し考えるようにして黙り込んだ

わずかな沈黙

酷く重いものに感じられた


秋緒「もともと、荻原組と藤堂組は抗争寸前だった」


ゆっくりと秋緒さんが語り始める


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秋緒「縄張り争い、薬の売買・・・・・・さまざまな面でふたつの組は互いを目の敵にしていた。しかし、ぶつかりあわない。周りの組を食っていき、あの2つの組だけが大きくなっていった。でかくなればなるほど、相手を食いたい気持ちがあるが、リスクはでかい。何かよっぽどのきっかけがない限り、動くことは難しかった」

「それがどうして、急に・・・・・・?」

秋緒「あいつらに必要だったのは、きっかけだった。それを作ってやったんだ」


淡々と話す秋緒さんの横顔

そこには何の感情も見出せなかった。

それは少し前の秋緒さんを思い出されて胸が痛んだ


秋緒「ひとりの男を雇った」


吐き出すようにして秋緒さんが言う


秋緒「その男に、藤堂組の組員のフリをさせて荻原組の組頭を襲わせたんだ」

「え・・・・・・!」

秋緒「襲われたのに、黙っていたら、組のメンツは丸つぶれだ。必ず、報復に出る。そうすれば、でかい組同士ぶつかり合って・・・・・・ジ・エンド」


あの抗争も全て、秋緒さんが仕組んだものだったなんて・・・・・・


To be continued・・・・