看護婦「西園寺秋緒さんのご家族の方ですか?」

「はい!妻です」

看護婦「外傷事態は酷くなかったのですが、折れたあばら骨が一本、履いを傷つけています」

「えっ・・・・・・」

看護婦「今から、緊急手術に入ります」


そう言うと看護婦さんは走り出していく。


「肺にあばら骨って・・・・・・」

志信「度合いにもよるが・・・・・・傷ついた肺に血が入りこみ外傷性気胸を起こす」

白金「すぐに治療できれば問題ないはずだけど」

志信「急を要する、といった様子だな・・・・・・」


有馬さんと白金さんの表情が険しいものになる

それは事態の深刻さを表してるような気がした。


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(秋緒さんが死んでしまうかもしれない・・・・・・?)

ふとひとつの考えがよぎる

(秋緒さんが死んでしまったら、契約結婚は成立しなくなる。そうすれば、私は自由になる・・・・・・私はそれを望んでいる・・・・・・?)

自分自身に問いかける。

(ううん、そんなことない・・・・・)


志信「本当にあんた泣いたり、取り乱したりしないんだな」

「そんなことしたって、秋緒さんは助かりませんから」

志信「弁護士の女房にしておくのはもったいないような女だな」


処置室を祈るように見つめる。もう一度、私に笑顔を見せて。

まだ、あなたに伝えてない言葉があるから・・・・・・・


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第8話 呼び出しと銃口


大きな手で確かに頭を撫でられてような気がした。

それから、その手が私の頬をなで、首筋をたどる。


「ん・・・・・・」


目を開け、体を起こす

ベットに横たわる秋緒さんがこちらを見つめ、微笑んでいた。


「秋緒さん・・・・・・!」

秋緒「よく眠っていたみたいだな」

「あっ・・・・・・ごめんなさい」


昨日、秋緒さんの手術が終わったあと病室に呼ばれた

看護婦さんはもう大丈夫だと言ったけど、秋緒さんが目を覚ますまで傍にいたいと無理を言ったのだ。


秋緒「一晩中、ついていてくれたんだな」

「でも、寝ちゃってたら、いる意味ないわよね」

秋緒「昨日はいろいろあったからな、疲れたんだろう」


誘拐、カーチェイス、そして再び拉致・・・・・・

とてもじゃないけど、1日の間に起こったとは思えない。


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「傷、痛まない・・・・・・?」


殴られた時にできたらしいアザを撫でる。


秋緒「アザのひとつやふたつ、あったほうが、法廷ではハクがつくさ」

「秋緒さんったら・・・・・・」


微笑みあう。

ビックリするほど穏やかな気持ちだった。

コンコンッ

病室のドアがノックされた。


秋緒「はい、どうぞ」


ドアが開いて、有馬さんと白金さんが姿を現した。

秋緒さんの表情が引き締まる。


秋緒「どうなりましたか?」

志信「ったく、警察が動くの遅くて困るぜ」


ため息交じりに有馬さんが言う。


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志信「秋緒が集めた全ての書類は等に警察に提出してあったっていうのに」


(あ・・・・・・昨日の人たちが探していた書類?)


志信「逮捕状請求に時間がかかっていたせいで、動けなかったらしい」

白金「ようやく、逮捕状が出て、彼らの組に今日、家宅捜索が入る」

秋緒「じゃあ・・・・・・一件落着、ってところですね」


ホット秋緒さんが息を吐き出す。

でも、秋緒さんの言葉に、私はふと疑問を感じる。


「もう警察に提出しているなら、昨日そう言えばよかったんじゃ・・・・・・?」

志信「警察に渡しました、はいそうですか、ですむ相手だと思うか?」

白金「書類を取り戻す為、奴らは西園寺くんに危害を加えた。怪我はさせても、殺しはしない。殺してしまっては、聞けるものも聞けなくなるからね」

「あ・・・・・・」

志信「唯一のこいつの心配はマリィちゃん、あんただ」


有馬さんの言葉に、秋緒さんはフイッと顔を横に向けた


To be continued・・・・・